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リスティングは出せば良いというものではない!リスティング広告が失敗する要因をご紹介

Webサイトを活用して集客や売上向上を目指す場合、ユーザーに検索されたときに自社サイトが上位表示されるためのSEO対策が非常に重要とみなされています。しかし、当然のことながら、SEO対策を施すのは自分たちだけでなく、同業他社のWebサイトでもさまざまな施策を行っているわけですので、そう簡単に狙ったキーワードで上位表示できるような時代ではなくなっています。実際に、我々のような専門業者に対策を依頼したとしても、SEO対策の場合、「効果が出るまでに最低半年、長い場合は1年程度はかかります」と言われるようになっています。

そこで、Webサイトの効果的な集客手法として注目されているのが、いわゆるWEB広告と呼ばれる手段です。WEB広告にも、さまざまな種類が存在するのですが、その中でもリスティング広告は、少ない費用からスタートでき、さらに即効性が非常に高いというメリットを持っています。そのため、新規事業の立ち上げ時には、WebサイトのSEO対策が効果を出し始めるまで、一時的にリスティング広告を出稿するという企業が多くなっています。

ここまでの解説を見ると、サイトが上位表示されるまでは、リスティング広告を出稿しておけば「ネットからの集客が可能」と読み取れてしまいますよね。ただ、リスティング広告に関しては、非常に簡単に考えてしまう方が多いものの、そこまで単純な広告手法ではありません。何事も、成功を目指すには、失敗するパターンから学ばなければいけませんので、この記事では、リスティング広告を出稿しているのに効果を出せない要因について解説していきたいと思います。

リスティング広告とは?

リスティング広告とは?

それではまず、リスティング広告がどのようなものなのかについて簡単に解説しておきます。詳しくは、以前別の記事で解説していますので、ぜひそちらの記事もご参照ください。

リスティング広告は、検索連動型広告とも呼ばれており、ユーザーが何らかのキーワードで検索行為を行った時、その検索結果画面の目立つ位置に、キーワードに沿った広告が表示されるというものです。上の画像は、「リスティング広告」と検索した時の検索結果画面で、リスティング広告を出稿している場合、赤枠部分に「広告」というマークと共に表示されることになります。

このリスティング広告は、Googleなどの検索エンジンが運営しており、アカウントを発行することで、誰でも簡単に広告を出稿することができるようになります。さらに、「月に1,000円だけ」「広告費が〇万円を超えたら表示しない」など、広告費の上限をきめられるうえに、低コストで始められる点が大きなメリットとみなされています。なお、広告を出稿する際には、表示されるキーワードや、掲載する広告文を自分で作らなければならないので、その辺りのテクニックが必要です。

リスティング広告は、Web広告の中でも、特に簡単に出稿できるタイプの広告手法になりますので、お試し感覚で社内人員で運用するケースが多いです。ただ、多くの企業は専門業者に広告の運用を依頼している時代ですので、リスティング広告に関する基礎知識や使い方、集客のコツなどを知っておかなければ、広告費が無駄になってしまうケースも多いです。実際に、社内人員でリスティング広告を出稿した企業の中には「リスティング広告は効果が無い!」と認識しているような場合も多いです。

正直な話、リスティング広告は、きちんと考えて広告出稿すれば、これほど費用対効果が高い広告手法はないのではないかと言えるほど優れた手段といえます。つまり、「リスティング広告なんて意味がない!」などというイメージを持っている方は、間違った方法で広告を出稿してしまった可能性が高いのです。そこでこの記事では、リスティング広告に失敗してしまう要因をご紹介します。

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リスティング広告に失敗する要因について

それでは、リスティング広告に費用をかけたものの、思ったような効果が得られない…となってしまう要因について考えていきましょう。リスティング広告は、Googleなどのアカウントを作ることで、誰でも簡単に広告の出稿が可能なシステムになります。そのため、わざわざリスティング広告の運用を外注しなくても良いのではと考える方が多いです。

実際に、社内人員で広告の運用を行い、実績を上げている企業も少なくないので、一般の方でも比較的運用がしやすい広告だとは思います。しかし「誰でも簡単に効果が出せる」というものではないので、なぜ失敗してしまうのかというポイントはきちんと押さえておかなければいけません。

ここでは、リスティング広告に失敗してしまう主な要因をご紹介しておきますので、ぜひ参考にしてみてください。

①初期設定がきちんとできていない

多くの方が勘違いしているのですが、リスティング広告は、出せば効果が出るような物ではありません。リスティング広告を始めて、運用初期から多大な効果が得られるようなケースは稀であり、より良い効果を目指すために検証と改善を繰り返していくことが非常に重要な広告手法だと考えてください。そのため、リスティング広告は、運用型広告などとも呼ばれますし、絶対に「広告を出稿したら終わり」なんて考えはしないようにしてください。

ただ、企業の広告手段として難しいのは、上層部の広告に対する考えが「徐々に効果が上がっていけば良いし、継続的に投資を続けよう!」などと言ったことはほとんどありません。基本的に、リスティング広告に躓いてしまう企業というのは、効果検証や改善策などを検討する前に「リスティング広告はダメだ!」と早期に見切りをつけて諦めてしまうのです。本来リスティング広告というものは、トライ&エラーを繰り返すことで、確実に効果を得ることができる広告手法なのに、それをせずに早々に諦めるのは、それまでにかけた費用や手間、今後の展望的にも明らかな失敗と言えるでしょう。

こう聞くと「我慢が出来ない上層部」に責任があるように思えますが、そうではありませんよ。先ほどご紹介したように、リスティング広告は、トライ&エラーを繰り返すことで効果の最大化を目指す手法ですので、上層部のこういった考え方を理解したうえで運用を開始しなければならないのです。要は、リスティング広告の初期設定がおざなりになってしまうことで、運用継続という判断を上層部が下せないわけです。逆に言えば、上層部が運用継続という判断をするような小さな成功を積み上げていくスタイルを作ることで、早々に撤退するといった失敗を防ぐことが可能です。

対策

リスティング広告は、「少額でスタートできる」点がメリットと考えられていることから、初期設定など無視して「とりあえず広告を出してみる!」という感じで手を出す方が非常に多いです。しかし、この広告運用方法は絶対にダメだと考えてください。リスティング広告などは、とりあえずで始めると必ず失敗してしまうので、最初から成功を意識しておくことが何よりも重要です。

広告を出すときには「誰に、何を、どうやって、どの程度売るのか」など、広告の目標を細かに設定しておくことが大切です。そして、運用後も細かく設定を編呼応していくことで、最高の結果を目指すのです。

②予算設定を間違っている

リスティング広告は、広告表示のための予算をかなり細かく設定することができます。新聞折り込みやポスティングなどのオフライン広告は、広告出稿時に決定した費用、広告部数を後から変更することなどできないのですが、インターネット上に広告を出稿するリスティング広告の場合、かなり柔軟に広告費の設定が可能なのです。この部分に関しては、一見、非常に大きなメリットのように思えますが、実は予算設定をミスしてしまうことで、思うような結果が出ていないケースも意外に多いのです。

例えば、出来るだけ広告費を抑えたいなどと考えて、一日の広告費上限を設定している場合を考えてみましょう。こういった広告について、本来、コンバージョンに繋がりやすいユーザーのアクセスは、夕方から夜間にかけて集中するのに、広告上限のせいで夕方ごろには予算に達してしまい、広告が表示されなくなっているなんてミスが考えられます。当然、予算は消化しているのに、コンバージョンが少ない…となると、「リスティングはダメだな」という間違った判断に至ってしまいます。

対策

上述しているように、リスティング広告は運用型広告として有名で、トライ&エラーを繰り返すことでより良い効果を目指します。こういった失敗をしないためには、きちんとアクセス解析を行い、コンバージョンユーザーの動向を分析するのが大切です。例えば、コンバージョンユーザーが集中する時間などを明確にすることで、最適な広告配信スケジュールを作成することができます。

③ターゲティングが正確でない

リスティングを失敗してしまうケースで非常に多いのが、「適切なターゲティングができていない」という要因です。

特に注意しておきたいのは、コンバージョンユーザーを除外せずに広告配信を行っており、無駄な広告費がかかってしまっているなんてケースです。もちろん、「リピーターの獲得を狙っている」など、意図的にコンバージョンユーザーを除外せずにいるケースもあるのですが、そうでないのであれば、明らかに無駄なコストを生む要因になるので注意しましょう。

対策

広告を表示させるターゲティング設定は、広告の成否を左右する非常に重要な要素ですので、「誰に向けて?」は慎重に検討してください。

④広告の内容が弱い(タイトルや広告文)

リスティング広告は、上で紹介した画像のように、ターゲットユーザーが設定したキーワードで検索した時、広告用のスペースにあなたの広告が表示されるという仕組みです。ただ、競合他社も広告を出すような人気のキーワードの場合、ユーザーの目につくようなインパクトのある広告を作らなければならないのです。リスティング広告は、タイトルと広告文で構成されますので、ユーザーに選ばれるような広告にするのはなかなか難しいものです。

よくある失敗事例では、広告文が弱く、訴求力が低いので、広告が表示されてもクリックしてもらうことができないというパターンです。また、検索キーワードと広告文の整合性を重視するあまり、不自然な日本語の広告文になって、ユーザーに不信感を与えてしまっているという最悪のパターンも少なくありません。リスティング広告のタイトルや広告文は、ユーザーをサイト内に誘導するためには、最重要な要素だと考えてください。

対策

リスティング広告の広告文を失敗してしまう方に多いのが、「クリエイティブな文章にしないと」「センスのある文章を作らないと」など、飾った広告文を何とか作ろうとして、それが逆効果になってしまうパターンです。良い広告文は、99%はセオリー通り作られていて、そこに1%のセンスが加えられるものだとされています。つまり、ずば抜けたセンスの広告文など必要なく、基本をしっかりと押さえた広告文が作れるようにするところからスタートしましょう。

⑤リンク先URLが不適切

リスティング広告は、広告をクリックしてくれたユーザーに見せるページを設定することが可能です。しかし、広告主の中には、ユーザーの検索キーワードに関係なく、どの広告でもサイトのトップページにリンクするように設定する方がいるのです。そして、このやり方は間違っています。

リスティング広告は、検索連動型広告とも言われるように、ユーザーが指定した検索キーワードに対して広告を出す仕組みです。例えば、「スニーカー」と検索しているユーザーであれば、「新しいスニーカーを購入したい」と考えていると予想できますよね。それなのに、広告からのリンク先をさまざまな商品が掲載されるトップページに設定すると、求めていた情報が表示されないことにユーザーがゲンナリしてしまう可能性が高いです。せっかく、高い購買意欲を持って流入してくれたのに、そのモチベーションを自分で下げてしまう行為になってしまう訳ですので、こういったことにならないようにするには、どのような要望を持った人が流入してくるのかをキチンと考え、適切なリンク先を設定するようにしてください。

対策

対策としては、設定するキーワードを使用するユーザーの要望を的確につかみ、その要望を即座に応えられるURLを設定することです。既存のWebサイトに最適なページが無いのであれば、リスティング広告用のランディングページを作成し、それを設定するようにしましょう。なお、設定するページに関しても、複数用意し、A/Bテスト実施し、最もコンバージョンに繋がるページに仕上げていくのがオススメです。

⑥無駄なキーワードが多い

リスティング広告は、広告主が意図しないキーワードで広告が表示されてしまい、無駄なコストが嵩んでしまっている失敗例も多いです。この失敗は、「部分一致」の検索キーワード設定を行っている場合に多いのですが、この設定で広告を出稿すると、意図しない検索ワードで広告が表示され無駄なコストがかかるばかりか、コンバージョンに繋がらないクリックを集めてしまうことになるので、正確な効果測定の阻害にもなってしまいます。

対策

この失敗の対策は簡単です。リスティング広告は、管理画面にて検索キーワードレポートを確認することができます。そしてそのレポートを見て、意図しないキーワードで広告表示がなされている場合、キーワードを除外設定すれば良いのです。手作業で行わなければならないので少し面倒ですが、無駄なコスト削減や正確な効果測定を行うためですので、確実に行いましょう。

⑦キャンペーン設定に間違いがある

リスティング広告は、キャンペーンの設定が行えるのですが、配信地域や配信時間といったといった部分の設定を間違ってしまうと、コンバージョンに繋がらないクリックを量産してしまう大きな要因となります。例えば、極端な話「除雪サービス」を売りとしている企業が沖縄県に住むユーザーに向けて広告を配信しても何の意味もありませんよね。他にも、コールセンターへの誘導を促す広告構成になっているのに、コールセンターが動いていない深夜帯に広告配信を行う設定になっているとコンバージョンになり得ません。このような失敗は、意外に多いので広告配信の際には慎重に確認しましょう。

対策

キャンペーン設定は、サービスや商品の特性をしっかりと理解したうえで、配信地域・配信時間を決定しましょう。なお、設定を明確にするためには、きちんとペルソナを作成し、ターゲットユーザーの行動を把握することが効果的です。

⑧レポートを無視する

リスティング広告は、効果検証をきちんと行い、問題点を改善していくことでより良い結果を目指す運用型広告です。それなのに、「リスティング広告は意味ない」と言っている方の多くは、リスティング広告におけるレポートを確認すらしていないのです。当然、自分が出稿した広告の問題を無視しているわけですので、いつまでたっても効果のある広告にはなっていかないでしょう。

逆に、リスティング広告で成果を上げている企業の多くは、レーポートをきちんと確認し、効果検証と改善の第一歩にしています。

対策

リスティング広告のレポートは、さまざまなことが確認できるのですが、「検索キーワード」「デバイス別評価」を確認するだけでも、多くのことを読み取ることが可能です。例えば、意図しないキーワードで広告が表示されコストを無駄にしているとわかればキーワードを削除すれば良いです。逆に、今までノーマークだったキーワードで多くのコンバージョンが生まれているのであれば、そのキーワードを強化するような対策を行えるようになるでしょう。

⑨柔軟な対応ができない

リスティング広告を成功に導くには、状況に合わせて柔軟に対応していくことが大切です。そして、失敗してしまうケースでは、柔軟性の欠如が原因となっている場合も意外に多いです。例えば、「費用対効果が良いのは分かったけど、予算の関係上これ以上投資できない」など、コストに対する柔軟性の欠如は、大きな機会損失を生み出してしまう要因となります。特に、リスティング広告は、予算を消化してしまうと広告が表示されなくなるので、せっかくコンバージョンに繋がる顧客がいると分かっているのであれば、柔軟に対応する方が絶対に成功への近道になります。

対策

予算に関する設定については、ある程度スピード感も重要になるので、基本となる予算とは別に、担当者が柔軟に動かせる予備の予算も設定しておくのがオススメです。

⑩リスティング広告が適していない

最後は、業界的に広告手段としてリスティング広告が適していないというケースです。この場合、どう頑張っても費用対効果の高い広告にならないので、今までの対策とは異なり、リスティング広告を早めに撤退し、自社に適した広告手段に切り替えるのがオススメです。

どのような広告手法でも同じですが、すべての業種にとって『最適な広告手段』になり得るわけではありません。特に、リスティング広告は、設定するキーワードに関して、広告主が入札することでクリック単価が決定します。つまり、競合他社が多い業界になると、驚くほど高額な広告費用がかかってしまうことになるのです。もちろん、商品単価がそれに見合う物であれば良いのですが、「かける広告費ほどの売り上げを、人員的に作れない!」というのであれば、いくらコンバージョンがあっても成功とは言えませんよね。
現在では、多くの種類のWEB広告がありますので、どの手法が最も自社に適しているのかを慎重に検討する必要があると考えてください。

対策

WEB広告の中でも、即効性が高い、費用対効果が高いと人気のリスティング広告ですが、全ての企業にとってメリットのある手法かというとそうではありません。自社にとって、他にメリットの大きい手法が存在するという場合、無理にリスティング広告に手を出す必要はないと思います。

まとめ

今回は、WEB広告の中でも、即効性が高く費用対効果が良いと言われるリスティング広告の注意点について解説してきました。

リスティング広告は、ユーザーの検索キーワードに連動して、目立つ位置にあなたの広告を表示することができるようになるので、SEO対策の効果が出るまでしばらく待たなければならないなんて時に、非常に心強いWEB集客手法となってくれます。しかし、リスティング広告を出せば、どのような業種でも確実に売り上げにつながるかというとそうではないので注意しましょう。

どのような広告でも同じですが、広告を出した後の効果検証や問題の改善が何より重要ですので、この記事でご紹介した内容をしっかりと頭に入れておきましょう。

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スタッフK

WEB業界15年以上
大小含めて15000以上のキーワードを得意のライティングでトップページに押し上げてきました。

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