SEO対策

SEO対策に取り組んだものの、思うような効果が得られないケースの原因について

どのような業界でも、今や集客はインターネットでの対策が欠かせない時代になっています。NTTドコモ モバイル社会研究所による調査によると、日本国内では90%以上の方がスマートフォンを所持していると言われる世の中ですし、何らかの疑問や要望があった時にはインターネット検索をするというのが当たり前の行動になっています。

そのため、企業のwebマーケティングやサイト運営に携わっている方はSEOを避けては通れない時代になっているのですが、以下のような不安や悩みを抱えている方が増加しているように思えます。

  • ・SEO対策に取り組んでいるけれど、うまくいっている気がしない
  • ・SEO対策に取り組みたいけど、失敗はしたくない
  • ・SEO対策をするにしても何から取り組めば良いのか分からない

下で詳しくご紹介しますが、現在ではインターネットでの集客を目指すにしても、その方法はSEOだけではなく、他にもさまざまなweb施策が注目されるようになっています。そしてSEO対策は、さまざまなweb施策の中でも、コストや再現性に関しては優位性が高いものの、『どうしても手間や時間がかかる』という特性を持っているのです。そのため、実はうまく前に進んでいるのに、施策の途中で諦めてしまい「自分たちの取り組みは失敗に終わった…」と判断してしまうようなケースも少なくありません。もちろん、今の時代、どのような企業でもSEO対策に取り組むようになっているわけですので、全ての企業が想定する結果を約束されているわけではありません。

ただ、失敗してしまう企業の多くには、共通する原因がいくつかあるのも事実なのです。そここの記事では、いくつかの要因に分けて、SEO対策に失敗してしまう原因をご紹介していきます。SEO対策の成功を目指すには、「失敗に向かう道筋」もおさえておき、それを避けられるというのも重要ですよ。

データ参照:NTTドコモ モバイル社会研究所

『戦略面』での失敗

現在のSEO対策は、一昔前のような『外部リンクを増やして上位化を目指す』といったものではなくなっています。独自性や権威などが重視されるようになっていることから、コンテンツが重要視されるようになっており、SEO対策は『コンテンツSEO』などとも言われるようになっています。したがって、SEO対策を代行してくれるような業者と打ち合わせを行う場合には「コンテンツの質が…」「コンテンツを継続的に増やして…」など、コンテンツと言う言葉がそこら中で聞こえるようになります。

ただ、SEO対策に失敗してしまうケースでは、コンテンツの質をどうこうする以前の問題で躓いてしまう…という企業が少なくないのです。要は、SEO対策で成果を出すための「道すじ」の段階で戦略があやふやになってしまい、どんなコンテンツを作れば良いのかすら分からなくなってしまうというケースですね。

①ターゲットや目的を明確化できていない

これはコンテンツSEOに限らないのですが、SEOに失敗してしまうケースでは、コンテンツを作り始める前に「誰に向けたコンテンツなのか?」「コンテンツ作成の目的や狙いが何なのか?」と言った戦略を明確化できておらず、成果が出ない…という結末に至ってしまう方が多いのです。

よくある失敗例としては、ユーザーの検索意図などを無視して、自社都合の情報コンテンツだけで対策を進めてしまうというケースです。ユーザーが検索と言う行動に出る時には、必ず何らかの検索意図を持っていますよね。それなのに、それを全く把握しようとせずに、自社製品やサービスの機能、価格、特徴と言った情報だけを押し付けるようなコンテンツを作ってしまうというパターンです。
例えば、自社サイトへの訪問者を増やしたいという意図を持った方の検索の場合、「SEO 手順」「アクセス 増やし方」などと言ったキーワードで検索することでしょう。それでは、このようなワードでたどり着いたページで、自社サービスの内容や価格、問い合わせフォームへの誘導リンクなどが何もなければ、訪問者はどうなると思いますか?当然、訪問者が欲しい情報ではないので「自分が欲しかった情報ではないな」と離脱してしまうことでしょう。

コンテンツSEOなどの取り組みを進める場合、ターゲットの悩みにきちんと寄り添い、自社の強みでどうやってその悩みを解決できるのか、そしてその検索意図に合ったコンテンツを作らなければ意味がありません。コンテンツを制作する時には、自社が発信したい情報を詰め込むのではなく、ユーザーファーストで物事を考え、以下のようなポイントを押さえて進めていきましょう。

  • ・自社のサイトをどんな人に見てほしいのか?
  • ・自社サイトを必要とする人は、どんな悩みがあって検索するのか?
  • ・その悩みをどうやって解決するのか?

このようなポイントをしっかりと押さえて、順番に考えていけば、自社のターゲットやコンテンツの目的は自ずと決まっていくはずです。コンテンツSEOは、必ずしも問い合わせや購入ボタンを押してもらうという結果を目的にするわけではありません。最も重要なのは、ターゲットが抱えている悩みや課題に対して、解決の手段を提示するということが第一なのです。
つまり、ユーザーの悩みや課題を解決するための『一つの手段』に自社製品やサービスがなるのであれば、それを文脈の中で自然に紹介してあげれば、勝手に問い合わせは増えていくことでしょう。コンテンツの制作は、「自社のサービス・製品をどうやってよく見せるのか?」ではなく、「ターゲットの悩みを解決することができる」と言う視点で設計していくことが大切です。

②強すぎるキーワードに挑戦している

戦略面でのSEO対策の失敗では、対策を施すキーワードの選定を間違っているというケースも少なくありません。SEO対策に取り組むときには、「コンテンツをきちんと作っていけば、どんなワードでも上位化できる!」とは考えない方が良いですよ。残念ながら、どれだけ頑張ったとしても「そもそも勝てない戦い」と言うのはあるのです。しかし、中にはそれに気づかずに(もしくは無視して)無謀な挑戦に挑み、いつまでたっても効果が出ない…となってしまっているケースがあるのです。

例えば、新築戸建て住宅を販売している不動産会社がSEO対策に取り組むとしましょう。この時に「新築戸建て」というキーワードで検索1位になれば…と考えるものですが、残念ながらそれは非常に困難です。2022年2月時点で「新築戸建て」で検索してみた場合、以下のような結果になります。

このように、こういったビッグワードでの検索の場合、大手不動産ポータルサイトが検索上位に並ぶという結果になります。これは、こういったキーワードで検索を行う人の多くは、「家を建てたい場所」に関するニーズも必ずありますので、それらも網羅されているポータルサイトが優先されて上位表示されるからです。
こういったことからも分かるように、対策を施すワードに関しては、自社サービスとの整合性や検索ボリュームなどの指標も重要ですが、「そもそも勝負になるのか?」と言う視点を忘れてはいけないでしょう。

それではどうすれば良いのかと言うと、戦略的に「勝てるキーワード」を選定して勝負に出るという方法が大切なのです。検索ボリューム自体は少なくなったとしても、検索意図がわかりやすくなるというメリットがありますので、複数のキーワードの組み合わせで対策を施すなど、勝てる場所で対策をとっていくようにしましょう。

『戦術面』での失敗

次は、戦術面での失敗ケースについてみていきましょう。一口にSEO対策といっても、さまざまな段階が存在しており、各段階で注意すべきポイントが異なります。ここまでは、SEO対策の大前提となる戦略に関する失敗でしたが、戦略面をクリアできたとしても次の段階で失敗してしまうケースがあるのです。
この部分での失敗は、主に、コンテンツの質、サイトの構造、間違った手段の3つに大別することができます。それぞれのポイントについてもう少し詳しくご紹介しておきます。

①コンテンツの質

この段階でよく見かける失敗は、「コンテンツの質が悪い…」と言うものです。適切なキーワードを選定し、対策を行ったとしても、そのコンテンツの質が悪ければ、検索上位に表示されることはありません。

コンテンツの質に関しては、「検索意図に対しての答えがかみ合っていない」、「答えとしては内容が不十分」と言うようなコンテンツで、こういったコンテンツは検索者のニーズにこたえていないと判断され、検索エンジンに評価されないわけです。
コンテンツの質と聞くと、「文章が上手く書けるスタッフがいないから外注しないと…」などと考える企業様が多いのですが、コンテンツSEOを前提としたwebライティングの場合、小説のように「読んだ人に感動を与える!」と言った語彙が豊かな文章を必要としているわけではありません。もちろん、文章が読みやすい、分かりやすく整理されていることに越したことはないのですが、大学の文学部を出ていて、国語の文法が完璧なんて人を用意する必要などはありません。

コンテンツSEOにおいて、『高品質』と判断されるコンテンツと言うものは、検索意図に対して的確な回答ができているものです。「SEOが目的だから不自然でもキーワードを詰め込んだ方が良い!」と言った考えも間違いですので、その辺りを注意して、コンテンツ制作を行ってください。

②webサイトそのものが適切な作りでない

SEO対策を外注する場合、まず最初にwebサイトの構造を確認して、必要な箇所を修正することからスタートする場合が多いです。と言うのも、いくら質の良いコンテンツをUPしていたとしても、サイトそのものの構造に問題があれば、上位化されることが無いのです。この辺りがSEOは効果が出るまでに時間がかかる要因でもあります。

SEOを考えた場合のwebサイトの構造的な問題について、いくつか例を上げておきましょう。

  • ☑ページのタイトル、description、見出しなどが適切に設定されていない
  • ☑モバイルフレンドリーが意識されていない
  • ☑テキスト量が少ない(デザイン重視のサイトに多いです)
  • ☑サイト内の関連するページで内部リンクなど適切な設定がされていない

分かりやすい構造のミスをご紹介すると、上記のような問題点が考えられます。これらの問題点が複数該当しているのであれば、コンテンツの制作に入る前に、サイトそのものの改修から着手しなければいけません。

③間違った手段を採用している

3つ目は、一昔前のいわゆる「ブラックハットSEO」と呼ばれる手段を使って上位化を目指しているという失敗例です。要は、一昔前までは「有効な上位化の手段」とされていたことから、今でもそれが通用すると考え、Googleのガイドラインに違反している手法を採用してしまい、逆効果になっているサイトですね。「まさかそんなサイトが…」と思うかもしれませんが、このケースは意外に多いのです。

Googleの検索アルゴリズムは、年々進化しており、かつては『王道』と言われていたような手法でも、現在では「ペナルティの対象になる」という恐ろしい現象が起きています。ブラックハットSEOがどういった手法なのかはまたの機会にご紹介しますが、現在Googleが「悪質な手法」と判断している手法で対策を行っている場合、検索上位化どころか下落してしまう可能性が高いです。さらに最悪の場合、そのドメインに関わる全てのページが検索結果から削除されてしまう…なんてことも起こり得るのです。

SEO対策の有効な手段や悪質な手段と言うのは、皆さんが考えている以上のスピードで入れ替わっていっています。したがって、常に適切な手段がどういったものなのか、情報を仕入れるチャンネルも重要です。

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その他の失敗原因

SEO対策に失敗するケースでは、実は戦略面でも戦術面でも適切な対策を行っているのにもかかわらず、失敗してしまう…と言う残念な企業も少なくありません。それでは、戦略も戦術も正しかったのに、何が原因で失敗してしまうのでしょうか?

①成果が出るまで待てなかった…

この理由は非常に多いので注意してください。上述しているように、インターネットを活用した集客方法と言うのは、何もSEO対策が唯一の方法ではありません。最近では、Googleマップを活用するMEO対策が注目されるようになっていますし、このほかにもSNSやメルマガ、リスティング広告など、非常に多岐にわたる対策が存在します。なお、どの手法に関しても、一長一短と言うものがあり、万能な施策とは言えなのが実情なのです。

そして、SEO対策の特性として、対策に手間や時間がかかることから、成果が出始めるのが他の対策よりも遅いという癖があるのです。一般的に、web施策を開始する際には、「期間(いつまでに)」「指標(アクセス数を、コンバージョンの数を)」「目標(〇件獲得、〇%UPさせる)」のようなゴールを決めて、対策の結果の良し悪しを判断するものです。
しかし、SEO対策に関しては、「対策を施したからすぐに上位化される」と言うものではありませんし、一度公開したコンテンツでも随時修正を繰り返していく対策という側面があることから、効果が出始めるのは最低半年、長ければ1年以上かかることも珍しくないのです。つまり、失敗してしまうケースの多くは、成果が出るまでに我慢ができす、途中でやめてしまう…と言う感じです。

②十分な運用体制がとれていない…

これも残念ながらよくある失敗ケースです。簡単に言うと、中小企業などで「社内の人員でSEO対策を行う!」と決めたのにもかかわらず、そのための人員を用意しないというものです。未だに、web周りの作業に関しては、画面のみで確認するものだということからか「大した作業量ではない!」と考えてしまっている方が多いです。

しかし、SEO対策と言うのは、非常に多岐にわたる作業が存在しており、工数もかなり掛かるものです。例えば、SEO対策を行う場合の一連の作業を紹介すると以下のようになります。

  • ・戦略設計
  • ・キーワード選定
  • ・コンテンツ制作
  • ・効果検証

どうでしょうか?テキストで見ると、非常に簡単で短時間、少人数で終わらせることができる作業に見えてしまいますよね。

しかしそのようなことはないのです。弊社がコンテンツSEOを代行する場合でも、戦略設計やキーワード選定を行うだけでもそれなりの時間がかかってしまいますし、そこから高品質なコンテンツを制作し効果測定したうえで、修正を加えていくとなると、かなりの工数になってしまいます。そのため、MEO対策などは月額数万円程度で可能なのですが、コンテンツSEOとなると最低でも月に20~30万円程度のコストがかかってしまう訳です。

SEO対策を社内人員だけで行う場合、そもそもSEO対策に関する知識を持っている人員がいるのかという問題から解決しなければいけません。いないのであれば、学びからスタートするわけですし、各工程では必要な知識が異なることから、一人の人員だけで全ての作業を賄うことは非常に難しいでしょう。SEO対策に失敗してしまうケースでは、こういった事を何も考えず、上から「対策を施せ!」という命令のみを与えているというパターンが多いです。
SEO対策は、日々進化していますし、情報更新をしていくだけでもかなりの工数がかかってしまいますので、自社だけでは十分な体制を作ることはかなり難しいです。したがって、部分的にアウトソーシングすることも想定し、体制作りからしっかりしていきましょう。

③業者選定に失敗している

SEO対策は、専門知識も必要ですし、作業工数も多いことから、専門業者に対策を委託するというケースが多いです。しかし、後方支援として「業者に対策を依頼する」と言う行為も、意外にリスクが高いということを忘れてはいけません。実際に、それなりのコストを支払って業者に対策を委託しているのに、効果が出なかった…という企業様は多いのではないでしょうか?

SEO対策を請け負う業者の中には、スキルが低い会社やそもそもスキルを持っていないような悪意のある会社も存在します。そして最悪のケースでは、Googleのペナルティ対象になるような対策を現在でも行っている会社もが存在するのです。こういった業者にSEO対策を外部委託したとしても、効果が出るどころか、最悪の場合、サイトそのものが検索結果から消されてしまう可能性があります。

SEO対策を外部委託すること自体は悪い事ではありませんが、最低限以下のようなポイントはチェックしておきましょう。

  • ・必要以上に「成果報酬型」の料金プランをアピールしてこないか?
  • ・外部リンク対策が施策のメインではないか?
  • ・実際にどのような対策を行ってくれるのか?

このようなポイントをチェックし、適切な方法で上位化を目指してくれる業者を選定しましょう。

まとめ

今回は、webマーケティングの主流であるSEO対策について、企業がSEO対策に取り組んだものの、思うように効果を発揮させることができない要因について解説してきました。

この記事では、SEO対策をいくつかの場面に分けて、それぞれの段階での失敗原因をピックアップしています。なお、この記事でご紹介しきれていない失敗要因は数多くあると思います。と言うのも、SEO対策と言うものは、『基本的に行わなければならない施策』という指針のような物はあるものの、全ての企業にとって『正解と言える施策』と言うものはないと考えて良いからです。

実際に、数年前までは有効なSEO対策の施策とされていたような手段が、現在ではペナルティの対象になってしまっているなど、刻一刻と有効な手段が変容していってしまう非常に難しい作業なのです。こういったことから、SEO対策に関しては、専門家でない人が集まっていくら知恵をしぼっても勝ち続けることが難しいと言われているのです。現在、自社サイトの上位化を目指してSEO対策を検討しているものの、何から始めれば良いのか分からない…という企業様がいれば、お気軽にお問い合わせください。

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スタッフK

WEB業界15年以上
大小含めて15000以上のキーワードを得意のライティングでトップページに押し上げてきました。

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