ホームページ制作

ホームページのリース契約について!デメリットを知っておかないと後々えらいことになる

今回は、これからホームページの制作を検討している方に知っておいてほしい『リース契約の恐ろしさ』をご紹介しておきます。ホームページのリース契約の危険性については、数年前から指摘されていますし、「今さら騙される人なんていないでしょ!」と考えてしまう方も多いと思います。しかし、現在でも「ホームページが初期費用0円で作れます!」と言ったリース契約特有の営業手法は残っているようで、実際に、つい先日、筆者の近しい人間がホームページのリース契約の提案を受け、その内容を私に相談してきています。

ホームページの作成を考えた時には、「できるだけ制作にかかる費用を抑えたい」と誰もが考えてしまうことでしょう。ホームページのリース販売を行っている業者は、皆様のこういった心理に付け込み「リース契約なら初期費用0円、月額コストだけでホームページが作れます!」と声をかけてくるのです。こういった内容を聞くと、初期費用として数十万円以上のコストがかかってしまう制作会社に依頼するよりは「安くHPが作れる!」と感じてしまいますよね。しかし、契約内容を細部まで確認してみると、決してそうではないということがわかるはずです。

最初に言っておきますが、ホームページのリース契約を勧めてくる業者全てが悪徳とは言いませんが、ホームページのリース契約はお客様にとってデメリットが非常に多い手法となりますので、どれだけ魅力的に感じたとしても、リース契約を選ぶのはオススメできません
この記事では、なぜホームページのリース契約をしない方が良いのかについて解説していきたいと思います。

ホームページのリース契約とは?

それではまず、ホームページのリース契約について、これがどういったものなのかについて簡単に解説しておきます。『リース契約』そのものについては、企業が複合機やビジネスフォンを設置する際に利用したり、近年では自動車のリース契約が広く普及するようになっていますので、なんとなくどういった契約なのかはイメージできると思います。なお、リース契約の定義については以下のように解説されています。

リースとは、企業などが選択した機械設備などをリース会社が購入し、その企業に対してその物件を比較的長期にわたり賃貸する事。
引用:Wikipedia

上記のように、リース契約を分かりやすく言うと、企業などが必要とする機械・設備をリース会社を通して『借りる契約』のことを指しているのです。

この時点で、リース契約がホームページの制作に利用されるには根本的におかしなポイントがあるとわかった方もいるのではないでしょうか?リース契約の意味を理解すれば、勘の良い方であれば「買うのではなく借りるの!?」という点に疑問を持つはずです。ホームページは、今や企業にとって欠かせない物なのに、リース契約で制作することになると、自社のものではななくなるわけです。この時点で、少し怪しいと考えますよね。

なお、リース契約にも種類が存在しており、それぞれに細かな違いがありますが、その辺りは以下のサイトで確認しておきましょう。

> 公益社団法人リース事業協会「リース契約の特徴

ここが重要!ホームページは本来リース契約できない!

今までホームページをリース契約で作ってもらったことがある方ならわかると思うのですが、ホームページのリース契約は、ホームページそのものにリースを掛けるわけではありません。と言うのも、そもそもホームページと言うものは、形のない無形のものですので、リース契約の特性上、ホームページにリースを掛けることができないのです。

それではなぜ、世の中に「ホームページが無料で作れる!」と言ったリース契約を利用した営業手法が存在するのでしょうか?実は、ホームページをリース契約で販売する際には、以下のような手段を利用するのです。

  • ・ホームページを制作するソフトにリースを掛ける
  • ・パソコンにリースを掛ける
  • ・サーバーにリースを掛ける

このように、リース契約の対象物は、ホームページそのものではなく、パソコンやソフトウェア、最近ではサーバー機器などにリースをかけるという名目となっています。そして、ホームページの制作に関しては、これらに付属するサービスとして行うという体裁をとっているのです。

要は、ホームページをリース契約で導入するために、本来必要としていないパソコンやサーバーなどの有形のもを設置するという形式になっているわけです。どうでしょう、ここまでくるとかなり怪しさが増してしまいますね。

ホームページのリース契約にどんなデメリットがある?

それではここから、ホームページの制作について、リース契約で行う場合に考えられるデメリットをご紹介していきましょう。

①契約期間があり、途中解約できない

リース契約は、上述しているように「企業に対してその物件を比較的長期にわたり賃貸する取引」のことを指しています。つまり、ホームページの初期費用がかからない代わりに、長期間の契約をしなければならないのです。一般的に、ホームページをリース契約で制作する場合、その契約期間は5年間に設定される場合が多いです。

そして、5年間のリース契約を結んだ場合、基本的にその契約を中途解約することができません。仮に中途解約したいと思った場合も、残期間のリース料金やそれに相当する違約金の支払いが発生してしまいます。つまり、リース契約でホームページを制作した場合、運用などの面で何らかの不満があったとしても、契約期間中は制作会社を変更することなどができなくなってしまう訳です。

現在のホームページ制作業界で考えてみると、最初に制作費用としてまとまったお金を支払わなければいけませんが、その後の運用に関しては、企業が自由に決めることが可能です。例えば、社内にホームページの運用に関してくわしい知識とスキルを持っている人間がいれば、外注しなくて済みますので、ランニングコストはサーバーやドメイン費用のみとなり、年間で2万円程度見ておけばおつりが出るぐらいです。もちろん、運用面を外注する場合、作業内容に沿ったコストを支払う必要があります。ただ、この場合、作業を外注した業者に何らかの不満があれば、契約更新のタイミングで依頼する会社を変更すれば良いだけです。

今の時代、ホームページは制作しただけでは何の意味もなく、日々の更新やコンテンツの制作により、上位表示を目指さなければいけません。要は、ホームページは「綺麗なデザインのサイトを作る」と言った初期が重要なのではなく、ユーザーにとって有益な情報を発信し続けるという日々の更新が何よりも重要になるのです。そして、リース契約の場合、こういった日々の更新作業はサービスの範囲外になってしまいますので、ほとんどの場合、ホームページ完成後は放置されて、誰の目にも触れないサイトになってしまいます。こうなっても、5年間と言う契約期間中は中途解約できず、効果的なHP運用が全くできないという点が致命的なデメリットになってしまいます。

クーリング・オフ制度は適用されない!

現在では、消費者を守るための制度としてクーリング・オフ制度と言うものが存在します。この制度は、簡単に言うと、消費者が契約書に署名したとしても、一定期間は無条件でその契約を白紙に戻すことができるというものです。
そのためホームページのリース契約についても、問題があれば後からクーリング・オフすれば良いのでは…と考える方もいると思います。ただ、この制度が適用されるのは「一般消費者」に限られていて、事業者に関する契約は適用できません。つまり、ホームページのリース契約については、この制度を活用して白紙に戻すことはできないのです。そもそも、ホームページのリース契約に問題が生じるのは、早くても数か月後ですので、期限的にも利用できないと考えておきましょう。

②ホームページの所有権が自分にない

上述しているように、リース契約と言うのは、企業がリース会社を介して『借りる』ための契約になります。つまり、この契約を結んでいる限りは、自分のホームページだと思っていても、あくまでも借りているだけであり、いずれ返却しなければならなくなる可能性があるわけです。(※厳密にはホームページにリースを掛けているわけではありません。)

ホームページのリース契約は、多くの場合5年間と言う契約期間になっているのですが、この契約期間が満了した時にはどうなるのだろうか…と不安に感じてしまう人もいると思います。実は、リース契約でホームページを作成した場合、契約期間の満了が近づくと、リプレイスと呼ばれる再営業がかけられることになります。要は、ホームページのリニューアルを謳って、新たなリース契約の提案がされるわけです。この再契約をお断りした場合、リース残金にいくらかの金額を加算して、ホームページの買取を迫られるはずです。ちなみに、悪質な業者の中には、契約更新をしない場合、契約終了時にホームページを閲覧できないようにするケースもあるようです。

ホームページは、企業が事業を行っている限り、常に必要なものですので、そもそも「借りる」状態で保持するようなものではないのです。正直、この一点だけでも、ホームページのリース契約がNGな理由になるとい思います。

③ホームページの制作費用としては決して安くない

ホームページをリース販売している企業の営業マンから話を聞いた場合、「初期費用無料、月額費用のみでホームページが作れるのでお得です!」「ホームページはどこで作っても月額費用がかかるので、初期費用が0円と言うことはとんでもなくお得です!」と言った営業トークを耳にするはずです。要は、近年主流となっている、制作費用を最初に支払うというホームページの開設方法よりもリース契約の方が圧倒的に安くつくような印象を与えるトークを使うのです。

確かに、一般的な制作会社にホームページを作ってもらうと、最低でも30万円程度の初期費用(製作費)がかかってしまいますので、この費用が無料になると言われると「リースの方がお得なのかな」と感じてしまうかもしれません。しかし、実態はそうではなく、解約することができない長期契約を結ぶリース契約の方が高くついてしまうケースがほとんどだと考えておきましょう。例えば、ホームページの一般的なリース契約は「月額2万円の5年契約」となるのですが、総額で考えると以下のようになります。

ホームページの支払総額

2万円 × 60か月 = 120万円

このように、ホームページのリース契約は、「解約することができない」と言うことを考えると、120万円のお金をかけて制作しているのと同じ意味なのです。そして、リース料金として支払っている『2万円』と言うお金に関しては、リースを組むためのパソコンやサーバーにかけているわけですので、この2万円と言うコストの中で、日々の更新作業など行ってくれる訳はありませんよね。実際に、リース契約でホームページを制作したというお客様の多くは、「ホームページが完成してから一度も更新してくれない…」という点に不満を感じ、我々のような制作会社に相談してくるというケースが非常に多いです。

ホームページをリース契約で制作した場合で、あなたが更新してほしい時に何でも無料で更新作業を行ってくれるという場合であれば、確かにお得にホームページができたと言えるのでしょうが、更新を依頼しても「サービス外だから有料」もしくは「無視される」と言う場合は、120万円のホームページを分割払いで作っているだけですので、決してお得ではないと考えた方が良いです。ちなみに、リース契約の場合、リース会社に支払う手数料分も120万円の中に含まれていますので、あなたが支払うお金がホームページとは全く関係のない場所に使われてしまう点も知っておいた方が良いですよ。

④適切なタイミングでリニューアルができない

一般的に、ホームページと言うものは、2~3年程度でリニューアルすべきと言われています。これは、WEB周りの技術がどんどん進化しているので、3年程度経過すれば新たな便利機能が登場していたり、トレンドがかなり変わってしまったりするからです。また、企業としても、3年程度経過すれば、新たな事業を開始するなど、掲載したい情報が大幅に変わってしまうことも珍しくありません。

こういったことから、ホームページと言うものは、その時代に合わせて適切なタイミングでリニューアルを繰り返していくのが一般的なのです。しかし、リース契約でホームページを制作している場合、契約期間中は基本的にリニューアルすることができません。もちろん相談すれば、新たなリース契約を巻きなおすことでリニューアルすることもできるかもしれませんが、そのたびに長期的なリース契約を組みなおすことになるのです。

リース契約の大きな難点は、一度作成したホームページについて、その後、企業の成長や時代の移り変わりなどに合わせて、適切なリニューアルをすることができない点です。

⑤満足できるホームページが出来ないことも

上述しているように、ホームページそのものは『無形』のものですので、これにリースを掛けることはできません。したがって、ホームページ制作用のソフトウェアなどにリースをかけるわけです。

そして、このソフトウェアが、リース契約でのホームページ制作における大きなデメリットになり得ます。現在のホームページ制作では、ワードプレスと呼ばれるCMSが利用されることが多いのですが、これらは知識とスキルさえあれば、いくらでも機能を拡張することが可能です。さらに、世界的に利用者が非常に多いCMSであることから、プラグインなどの付属機能が非常に充実しているのです。

しかし、リース契約で使われるソフトウェアに関しては、ワードプレスのような拡張性などなく、基本的にパズルのような感じで画像やテキストを配置してホームページを完成させるようなイメージです。つまり、ホームページの制作費用としては、かなり高額な総額を支払う割に、制作できるホームページに制限や限界があるという意味です。実際に、リース契約をして、ホームページの制作を進めていると「あれはできない、これはできない…」と言われて解約を申し出たのに、検収を通した後だから解約できなかった…なんてトラブルも多いようです。

注意
筆者は、過去にホームページのリース販売を経験していますので、ここで紹介している内容は、実体験も含めての話です。筆者が、ホームページのリースを絶対にオススメできないのは、実体験として「これはお客様のためにならない…」と感じたからです。

ホームページのリース契約にメリットはあるのか?

ここまでは、ホームページの制作をリース契約で進める場合のデメリット面をご紹介してきました。上述した情報だけを見ると、「リース契約なんてもってのほかだな…」と感じた方が多いと思います。それでは、ホームページをリース契約で制作することに、何のメリットもないのでしょうか?

ここでは、リース契約のメリット面も簡単に触れておきます。

①初期費用がかからないのは確かなメリット

ホームページのリース営業に関しては、テレアポの時点でも、実際に営業マンの話を聞いたとしても「初期費用がかからない」という点をアピールしてきます。

と言うのも、ホームページの制作を、専門業者に依頼した場合、その内容にもよりますが、安いもので30~60万円程度、ある程度こだわったWebサイトにするなら100万円以上の制作費用がかかってしまうことになります。制作費用に関しては、分割してもらえるにしても、『着手金(50%)・完了金(50%)』と言った感じになりますので、初期費用として数十万円のお金を支払う必要があります。そして、分割できたとしても、完了した時点で支払う必要があるので、短期間に大きなお金を支払わなければならないことに変わりはないのです。

リース契約でホームページを制作する時には、5年間と言う長期的な契約を組まなければならないものの、一度に大きなお金の支払いが発生しないという点は非常に大きなメリットになると思います。例えば、自然検索での顧客の流入を期待していない、5年程度で事業形態が変わるようなことはなく、サイトの更新なども特に考えていないというような特殊な事例であれば、安価な分割払いでホームページが持てますので、それはそれでありなのかもしれませんね。

②更新作業をしてくれる場合もある

これは、相当運が良ければの話なのですが、ホームページのリース販売を行っている企業の中にも、依頼すれば細かな更新作業を行ってくれる業者は存在するようです。

例えば、新着情報の追加や、ホームページ内の画像やテキストの変更を、月に1回と言った頻度であれば、リース料金内で行うという企業も存在します。このように、更新作業をリース料金の範囲で、確実に行ってくれる業者に出会うことができれば、初期費用を掛けずにホームページを制作できますので、悪くないのではないかと思います。

ただ、ホームページをリース販売している企業は、多くて月に1回の更新作業と言った頻度になっていますので、これ以上の更新が必要と言う場合は、別途費用がかかるとい思っておきましょう。なお、あくまでも行ってもらえるのは、大幅なデザインの変更などは伴わない更新作業程度ですので、リニューアルなどはできません。

まとめ

今回は、ホームページ制作の一つの手段である、リース契約を使ってホームページを制作する時のデメリットをご紹介してきました。

この記事でご紹介したように、「初期費用0円でホームページが作れる」「お得にホームページが持てる」などと、甘い言葉を使って営業マンが近づいてくるリース販売ですが、ホームページの制作に関して言えば、リース契約はデメリットの方が圧倒的に多いと考えておいた方が良いです。
複合機やパソコンの導入については、レンタルなどと比較しても、リース契約の方が圧倒的に安価に収まるのは事実です。しかし、これがホームページの制作と言う話になると、リース契約の特性が顧客のとっての大きな落とし穴になってしまうのです。そもそも、ホームページと言うものは、無形のものですので、本来はリースを掛けられるようなものではないのです。それなのに、ホームページ制作に必要としない、パソコンやサーバーに無理矢理リースをかけ、その付属サービスとしてホームページ制作をするというのは怪しい以外の何物でもないですよね。

インターネットで「ホームページ リース契約」などと検索してみれば、さまざまな情報が出てきますので、現在リースの営業を受けているという場合、こういった情報もきちんと確認したうえで、契約の可否を決めると良いでしょう。

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スタッフK

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