ホームページ制作を外注する際に必要な準備について!
今回は、自社のホームページ制作を専門業者に外注する際、初回の打ち合わせまでに準備しておくべきいくつかのポイントをご紹介します。ホームページの制作については、専門的な知識やスキルが必要ですし、効果の出るホームページを作りたいのであれば、専門業者に制作と運用を依頼すべきと考えている方が多いです。確かに、SEO対策やWEB広告運用、MEO対策との連携など、ホームページ周りのやらなければならないことが複雑化していることもあり、「ホームページの勉強をしながら効果を出す!」というのが少し現実的ではなくなっていると考えましょう。
ただ、専門業者にホームページの制作と運用を依頼するからと言って「全てを丸投げすれば良い!」という考え方も間違っています。特に、効果的なホームページを適正価格で作成したいと考えた時には、業者との初回打ち合わせの段階できちんと準備ができているのかが非常に重要になります。
そこでこの記事では、ホームページの制作にあたって、皆さんが準備しておかなければならないいくつかのポイントを解説します。
ホームページ制作に失敗しないため、最低限行うべき3つの準備
専門業者にホームページの制作を依頼する際、最も重要になるが以下の3つの準備をしておくことです。
- ・ホームページ制作の目的を明確にする
- ・ホームページ制作の納期を決めておく
- ・ホームページ制作の予算を決めておく
当たり前のように思うかもしれませんが、弊社に相談してくるお客様でも、上記のポイントが不明確な方は非常に多いです。はっきり言っておきますが、上記のポイントが決まっていなければ、まともな提案や見積りを提出してもらえない可能性が高いと考えた方が良いです。
ホームページ制作の初回打ち合わせの際には、目的・納期・予算について、以下のように明確に決定しておきましょう。
ホームページ制作の目的について
一つ目の重要ポイントは、ホームページ制作の目的を明確にしておくというものです。どのようなプロジェクトでも同じですが、目的を設定せずに進めてしまうと、多くの場合、そのプロジェクトは失敗に終わってしまいます。
そしてホームページ制作においても、目的を設定せずに我々のような制作会社に相談してくる方は多いのです。なお、「最近は、どこもHPを持っているし、うちも作らなければと思った!」というのは目的に入りませんよ。以下で、ホームページ制作の目的を明確にするためのポイントをご紹介しておきます。
■ホームページ制作の目的設定について
ホームページ制作の目的について、間違った目的を設定しているケースが意外に多いです。例えば、以下のような目的は間違った目的の設定と考えてください。
- ・デザインが古臭くなったから、今どきのカッコイイデザインのサイトに作り替えたい
- ・ホームページを作り替えて、とにかくアクセスを増やしたい
- ・見た人が入社したいと思うようなリクルートサイトにしたい
ホームページの制作において、上記のような目的設定は間違っています。それでは、正しい目的の設定方法とはどういったものなのでしょうか?以下でいくつか参考を出してみます。
- ・ECサイトなどで売上の増加
30代の男性をターゲットに設定し、コンテンツの充実、サイト内の整備を行い、アクセス数を増加させ購入を増やしたい - ・コーポレートサイトで問い合わせを増やしたい
自社商品・サービスに関するコンテンツを充実させ、法人ユーザーからの問い合わせを増やしたい - ・リクルートサイトで求人応募数を増やしたい
新卒面接希望者に対し、自社の事業や良さが深く伝わるコンテンツを作り、応募者数を増やしたい
ホームページ制作における目的とは、上記のように「誰に対して、どのような情報を発信し、そしてどういったアクション起こしてもらうのか?」を明確に定めることです。しかし、ホームページ制作の打ち合わせをする際には、「デザインをこうしたい!」「アクセス数を増やしたい」という話ばかり登場するだけで、多くの場合、目的があいまいな状態になっているのです。
ホームページは、作る方によってアクセスを増やした後、「ユーザーにどのようなアクションをとってもらいたいのか?」は異なるはずですので、しっかりとこの部分を定義する必要があると考えてください。
ホームページ制作の納期について
意外に見落とされがちな重要ポイントが「ホームページの納期」です。制作会社にホームページの作成を依頼するわけですので、ホームページに関する専門知識が少なく、普通ならどの程度の制作期間になるのか、いまいちイメージできないという方が多いと思います。しかし、その場合でも、業者との初回打ち合わせ時には、あなたの希望する納期は確定させておきましょう。
ホームページ制作の納期に関しては、お客様から「なるはやでお願いしても良いですか?」「逆にどの程度の期間で完成するものなのですか?」とセリフが出てくるケースが多いのですが、これはNGです。
お客様側から具体的な納期の指定が無い場合、ほとんどの制作会社は、ゆとりを持ったスケジュールを組みますので、通常よりも納期がかかってしまいます。さらに小規模制作会社に依頼した場合、間に他の短納期案件が入り、後回しにされてしまうなんて最悪の状態になるケースまであるのです。
ホームページの制作については、急ぎでない場合も「〇月までには完成させてください」と言った感じに、明確な納期を設定しましょう。あまりに納期が短すぎる場合、業者側から「それは無理です」「特急料金がかかります」などという返答がありますので、調整すれば良いです。
ホームページ制作の予算について
3つ目のポイントは、ホームページ制作の予算についてです。このポイントについても、「いくらぐらいかかるものなのですか?」「できるだけ安くしてほしいのですが?」と言った感じに、お客様側が制作会社に質問するケースが多いです。しかし、明確な予算も決めずに制作会社に聞いてしまうのは失敗のもとです。また、「50~200万円」の予算を考えていますなど、広い幅の予算を伝えるのもNGと考えてください。というのも、こういった幅の広い予算を制作会社に伝えた場合、ほとんどの会社は上限予算に近い金額の見積りを出してきます。
制作会社からすれば、「お客様から値引き交渉がある」「制作途中で追加要件が出ても大丈夫なように余裕を見ておきたい」などと言った心理が働きますので、幅の広い予算感を伝えられると上限予算に合わせて見積りを作り始めるのです。
ホームページ制作において、適正価格で制作を依頼したい場合、先に上限予算を明確に決めて、その金額で最大限できることを提案してもらうのがオススメです。ただ、あなたが設定した予算では、どうしても目的が達成できない場合は、業者側から予算の増額、もしくは目的の変更を相談されることになると思います。しかし、先に予算の上限を決定しておけば、無駄な機能に無駄なコストをかける必要がなくなる分、適正価格に近付くことができます。
ホームページ制作費を削減するために縦鼻しておきたいポイント
それでは次に、余裕がある方が是非行っておきたいホームページ制作前の準備について解説します。上で紹介した3つのポイントを抑えておけば、最低限の準備は完了しているのですが、それで準備が完全かというとそうではありません。
というのも、上記の3点のみであれば、どうしてもホームページの制作要件はアバウトな状態になってしまいますので、制作会社側が見積りを作る時には、万一のことを考えて「高めに見積もる」という状況になるのです。もちろん、見積り前の取材の段階で、ホームページの制作要件はある程度固める努力はしますが、お客様側がアバウトな状態であれば、固めきれない部分もあるので、想定外の作業が出た時でもそのコストを吸収できるだけの余裕を持たせるのが常套手段になるのです。
逆に言えば、制作要件がアバウトではなく、詳細まで固まっている状態になれば、見積りが作りやすく、正確な金額を提示してもらえます。さらに、初回打ち合わせの段階で、以下のような準備ができていれば、「このクライアントはやり取りがスムーズにいきそうだ」と思ってもらえますので、その辺りも価格に反映されます。
デザインイメージを明確にしておく
ホームページのデザインについては、どうしても主観が入ってしまう部分ですので、アバウトな状態で制作に入る場合「何度か修正が入る」と想定して見積りを作成します。なお、安価な制作会社などであれば、「デザイン修正は1度だけ受け付ける(大幅な修正は不可)」などという条件をつけ、コストを削減しています。この場合、デザインが気に入らなくても、そのまま工程を進めるか、別料金を支払ってデザインを手直しすることになります。一般的には、「デザインの修正が入る」と想定して見積りを作るので、ホームページ制作費の中でも、デザイン費が占める割合が大きくなるのです。
業者にデザインイメージを伝える時には、可能な限り詳細に伝えるのがデザイン費を抑えるのがコツです。例えば、「コーポレートカラーが青なので、青ベースで落ち着いた感じのデザインが良い!」という要望で、一発でお客様が納得するデザイン案が確定するようなことはほぼ確実にありません。
したがって、デザインイメージを伝える場合、細かなイメージを目で確認してもらうためにも、いくつかの参考サイトを集めておくのがオススメです。それであれば、「TOPページは、誠実さが伝わるように、○○というサイトのようなイメージでカラーは青にしたい。ただ、コンテンツの見せ方は、競合の○○社のようなイメージがピッタリなのでここを参考にしてほしい。フォントやアニメーションなどのイメージは、△△社を参考に」と言った感じであれば、制作会社も非常にイメージしやすくなるので、「デザイン修正は1回で済むだろう」という想定で見積りを作ることが可能です。
ホームページの見積りは、要望が曖昧であればあるほど高くなってしまうので、事前に意思表示がスムーズにいくような準備をしておくのが安く収めるコツです。
「どこから、どこまでの作業を依頼するのか?」を明確に
次は、ホームページ制作を依頼するにあたって、どこからどこまでの作業を制作会社に依頼して、あなたは何を提供することができるのかという部分です。可能な範囲を自分で賄うことで、ホームページ制作費を抑えることが可能です。
分かりやすい例を挙げると、ホームページ内に使用する画像について誰が用意するのか、またホームページ内の文章は誰が作るのかと言った部分です。ここをおざなりにして話を進めてしまうと、後から「え、テキストは提供してくれるはずでは?」「画像を用意するなら1枚につき1500円かかりますが?」と言ったトラブルに発展してしまう場合があります。
この他にも、ホームページ完成後の運用面などについても、制作段階で打ち合わせを行っておけば、後々の更新作業などが楽になります。例えば、HP完成後のコンテンツ制作などについて、自社内で賄うことを想定している場合、ブログ形式で簡単に記事の作成ができるような環境を作ってもらっておくとか、カテゴリーやタグ付け、各記事のSEO対策が簡単にできるような構造を制作段階で行ってもらうなどの対処が可能です。この辺りの話し合いをしていない場合、HP完成後、コンテンツの継続的な更新のため、別途システムを組み込んでもらう費用が発生したりします。
ホームページは、完成後も継続的な作業が発生するものですので、中長期的な視点で運用面まで考え、制作段階で作業範囲の切り分けを行っておくと、初期コストもランニングコストも削減可能です。
リニューアルの場合、サイトマップを整理する
初めてホームページを作る場合もサイトマップを事前に用意しておくのがオススメですが、特にリニューアルの場合は、既存サイトを参考に、事前にサイトマップを整理しておくと、ホームページの制作費を抑えることが可能です。
サイトマップは、ホームページ内にどんなページが存在するのかというマップのことなのですが、あらかじめこの部分が確定していれば、制作しなければならないページ数が見積り段階で確定しますので、正確な見積もりを提出してもらうことが可能です。さらにリニューアルの場合であれば、既存のホームページを確認しながら、「新たなサイトに必要のないページ」「統合できるページ」を整理することが出来ますので、不用なページの制作費分を削減することが可能です。
近年では、コンテンツSEOという言葉が先行してしまい、ページ数が多ければ多いほどSEO的に有利になると考えられています。しかし、内容が重複するコンテンツや、各コンテンツの内容が薄くなるなんてことになれば、SEO上も逆効果に働く可能性がありますので、一概に「ページが多い方が良い」とは言えないのが実情なのです。現在のSEOは、ユーザーが見やすいことが何よりも重視されますので、その辺りを考えて、必要なページを確定させておきましょう。
まとめ
今回は、ホームページ制作をご検討中の方に向け、制作会社との打ち合わせまでに準備しておくべきポイントをご紹介してきました。
もちろん、初めてホームページの制作に手を出すという場合であれば、どのようなページが必要なのか、また自分たちだけで運用が可能なのかなど、不明な点が多いと思いますので、サイトマップの整理や作業範囲の明確化などが難しい場合もあるでしょう。そういった場合は、無理に考えるのではなく、ひとまずホームページを制作する目的や予算、納期と言った基本的な準備を進めておくようにしましょう。最低限、この3つのポイントを抑えておけば、ホームページ制作を依頼したことを後悔するような最悪な状況は避けられると思います。