広告運用

リスティング広告を外注する場合、広告費以外にどの程度のコストがかかるの?

リスティング広告は、費用対効果が高い、効果が出るまでに時間があまりかからないなどという点がメリットとされており、近年では多くの企業がwebでの集客手法として採用しています。

なお、リスティング広告の出稿は、そこまで複雑な作業ではないことから、社内人員だけで広告をまわすことも難しくなく、実際に専門業者に外注などせずに広告を運用している企業も多いと思います。しかし、この広告手法の難しいところが、広告を出すだけなら比較的簡単なのですが、効果をきちんと出すことを考えると、かなり戦略的に広告をまわす必要がある点です。

実際に、社内人員で広告をまわしている企業の中には、日々、各数値をチェックしたり設定を変更したりと、予想以上に日々の運用が大変で「試行錯誤しながら効果的な広告運用がここまで難しいとは…」と、専門業者にリスティング広告の運用代行を依頼したいと考えるケースが多いようです。弊社でも、もともと社内人員で広告運用を行っていたけど、なかなかうまくいかないから…と言ったご相談は多いです。

このような流れで、近年のweb広告に関しては、運用代行業者に依頼するケースが多くなっています。ただ、リスティング広告の運用代行を依頼する時には、「広告費の実費意外にどのようなコストがかかるのかな?」と言ったことが気になると思います。そこでこの記事では、専門業者にリスティング広告の運用代行を依頼する際、どの程度の費用がかかるものなのかをご紹介していきます。

リスティング広告の運用代行費用相場について

リスティング広告は、アカウントさえ作れば社内人員だけで広告運用を行っていくことは可能です。しかし、競合他社も広告を出すスペースとなりますので、それらに打ち勝っていく魅力的なタイトルや広告文の検討、入札価格の検討や的確な場所に広告が出せているのかの分析など、素人さんだけでは簡単に効果が出せるほど単純な広告でもありません。

そこで多く企業が利用するのが、リスティング広告などのWeb広告の運用代行業者です。こういった業者に広告運用を代行してもらえば、どこにどういった広告を出せば良いのか、適格な判断をしてもらうことができますので、より効果的に広告の運用が可能になると言われているのです。ただ、リスティング広告を専門業者に運用代行してもらうには、広告費以外に運用代行手数料がかかってきますので、どこに広告運用を依頼するのかを決める時の大きなポイントになります。
一般的にですが、リスティング広告を運用代行する場合の手数料については、かける広告費用に合わせて変動するケースが多いです。と言うのも、多くの広告運用代行業者は、「広告費の〇%」と言った方式の手数料計算式を採用しているからです。そして、現状、リスティング広告の運用代行手数料に関しては、広告費用の『20%』が相場だと言われています。以下で分かりやすく、リスティング広告の運用を代行してもらった場合の手数料計算をしてみましょう。

50万円分のリスティング広告を出した場合

■広告費用・・・50万円 ■広告運用代行費・・・20%とします。

リスティング広告代行手数料=50万円×0.2(20%)=10万円

この場合のリスティング広告の運用代行費用は10万円となり、実際に業者に支払う金額は「広告費:50万円+手数料:10万=60万円」となります。

専門業者にリスティング広告の運用代行を依頼する場合、広告費用に手数料分を加算して支払わなければならないと考えておきましょう。

広告費によって手数料が変わるケースが多い

リスティング広告については、上限金額を設定して広告をまわすことができるというメリットが存在します。要は、クリックされたら入札したクリック単価分の広告費用が加算されていくという仕様なのですが、上限を「5万円」と設定しておけば、上限金額までクリックされたときには、広告表示がされなくなるという設定などができるわけです。これにより、想定した以上の広告費用がかかってしまう…なんてことを防ぐことができます。

ただ、広告の運用代行を行う企業からすれば、あまりに低額な上限金額設定になると、『%』加算の手数料では割に合わなくなってしまうケースがあります。例えば、広告費の上限を1万円にした場合、リスティング広告の運用代行手数料を20%とすると、2,000円の売り上げになってしまう訳ですね。リスティング広告は、広告タイトルや広告文の作成、各種設定、キーワード選定など、広告を出す際には上限金額に関係なくそれなりの量の作業が発生してしまうため、かけた広告費の割合による手数料では、業者側が大赤字になってしまうケースがあるわけです。したがって、以下のような手数料設定をするケースが多くなっています。

例①

広告予算が15万円未満・・・手数料は定額で3万円
予算が15万円以上・・・手数料は広告費用の20%

このように、リスティング広告の運用代行を利用する場合、運用する広告費用の金額に関わらず、一定以上の作業が発生してしまうことから、広告の上限予算が低い場合は定額の手数料を設定している企業が多いと考えてください。なお、広告に関する手数料という形式ではなく、初期設定費として別途費用が発生し、その後は広告費の「20%」と言った料金設定の企業もあるようです。
リスティング広告の運用代行を依頼する際の代表的な料金体系を以下でご紹介しておきましょう。

リスティング広告運用代行の料金体系について

リスティング広告は、さまざまあるWeb施策の中でも、非常に費用対効果が高く即効性もあるということから、多くの企業が採用するようになっています。もちろん、社内人員で広告をまわすことも不可能ではないのですが、より高い効果を求める場合、やはり専門業者に広告運用を任せるケースが多いです。

そして、リスティング広告の運用を任せる会社を選ぶときに注意しておきたいのは、運用代行会社に支払う手数料の料金体系についてです。実は、Web広告運用の手数料は、企業によっていくつかの料金形態が存在していますので、一番納得できる料金形態の会社に依頼しなければいけません。と言うのも、広告運用の料金形態には、定額制と手数料制の2つのパターンが存在しており、何も考えずに広告の運用を任せてしまうと、無駄なコストが加算されてしまうことになるケースがあるのです。

ここでは、リスティング広告運用を代行してもらう際、代表的な料金形態をいくつかご紹介しておきます。

①運用手数料を支払うケース

一つ目は、上述したような、広告費の「〇%」を運用代行手数料として支払うパターンです。現状のリスティング広告業界では、このパターンの料金体系になっていることが多いのではないかと思います。

なお、この料金形態では、広告費に応じて決められた割合の手数料を支払うという契約になるのですが、運用手数料の割合に関しては、広告運用を依頼する企業によって異なると考えときましょう。基本的には、上述した『20%』程度に設定されているケースが多く、毎月50万円ほどの広告予算をかける場合、広告費とは別に10万円(50万円*0.2)の運営手数料を支払わなければいけないという感じですね。

この料金体系は、かける広告費によって運用手数料が変動していくことになり、広告が回れば回るほど手数料が高くなってしまいます。広告費の上限をきめておけば、手数料の上限も決まるのですが、中には、運用手数料を多く得たいと考えて、予算だけ多く消化させようとする会社があるので注意してください。リスティング広告は、予算がなくなれば広告が非表示になることから、「クリック数が多いのでもっと予算をあげては?」などと提案されるケースがあります。この時に、きちんとかけた広告費分の効果が出ているのなら予算を増やすのは良いのですが、そうでないなら無理矢理予算を消化されているだけの可能性があります。

②初期費用+手数料を支払うケース

近年増えている料金形態がこれです。リスティング広告は、実際に広告をまわし始める前にさまざまな初期設定が必要になります。そのため、広告運用にかかる手数料とは別に、各種設定のための初期費用が別途請求されることになるのです。これについては、今まで社内人員でリスティング広告を行っていた…と言う方なら、広告配信までにそれなりの手間がかかると理解できるので、初期費用として法外な金額が設定されない限り、特に不思議には思わないでしょう。リスティング広告を配信したことが無い人のために、初期にどのような設定が必要になるのかを以下で簡単にご紹介しておきます。

  • ・リスティング広告のアカウントを作成(既にある場合は、代行会社に権限を添付)
  • ・キャンペーン・広告グループの作成
  • ・キーワード選定
  • ・タイトルや広告文の作成
  • ・広告配信のキーワード設定

広告配信までには上記のような細かな作業をたくさんしなければいけません。そこで、こういった初期設定費用を別に設定していて、これに加えて①で紹介したような手数料を支払う感じになるのです。なお、初期設定費がある代行業者の場合、広告手数料にかかるパーセンテージが若干低く設定されることが多いです。
このような料金体系ができた理由は、リスティング広告は、広告配信の上限予算を設定できることから、3~5万円など低額で広告をまわしてほしいという依頼が増えているのが理由です。広告予算額が低い場合、得られる手数料が少ないため、代行業者側に何のうまみもなくなってしまう訳です。それどころか、広告費用に関係なく初期設定が必要ですので、その設定に書かかる人件費分が赤字になってしまう可能性すらあるでしょう。そこで、広告予算額を低く設定する場合には、別途初期費用が発生する料金体系が採用されるケースが多いです。

③月額定額制

3つ目は、運用代行会社があらかじめ決めている月額費用を毎月支払うという月額定額制の料金体系です。

月額費用に関しては、「広告費が10万円以下なら月額5万円」「広告費が30万円以上なら月額8万円」など、代行業者がいくつかの料金プランを作っていて、それに申し込むといった感じになっています。この料金体系は、かける広告予算によって手数料が変動することが無いので、広告費用が大きくなっても同じ金額の運用費を支払うだけで済むのがメリットです。例えば、①のような料金体系の場合、広告費用が増していけばそれに比例した手数料も増額されていきます。しかし定額制の場合、代行業者が上限を設定していないのであれば広告費を増やしても手数料は変わらないというメリットが得られるのです。

注意が必要なのは、広告費がそこまで多くない場合は、月額定額制の方が割高な設定になっているケースが多い点です。

このように、リスティング広告の運用代行には、いくつかの料金形態が存在しています。そして、かける広告費用によって選択すべき料金形態が変わると考えておかないといけません。どの料金形態も一長一短ですので、事前に手数料を計算して依頼先を決定すると良いでしょう。

リスティング広告の運用代行費のチェックポイントについて

ここまでは、リスティング広告を運用代行業者に依頼する際の費用についてご紹介してきました。リスティング広告は、クリック単価を入札し、一定期間ごとの上限金額を決めて広告をまわすといったやり方が多いのですが、運用代行業者に依頼する場合、広告費以外に運用のための手数料が必要になります。もちろん、専門家が最も効果が出るように広告をまわしてくれるわけですので、広告に関する知識が何もない人が行うことを考えると、費用をかけたとしてもその分の効果が得られれば全く問題ない事だと思います。

しかし、きちんと業者やサービス内容を確認しなければ、無駄な部分にコストをかけてしまう結果になるかもしれませんので、以下のようなポイントには注意しておきましょう。

最低出稿金額が設定されている場合も

リスティングの運用代行業者を選ぶときには、『最低出稿金額』の規定があるか、またあるのであればいくらに設定されているのかを確認しておくべきです。

最低出稿金額とは、「リスティング広告にかける広告費の最低額」で、「月額30万円以上」と設定している代行会社が多いです。つまり、このような最低出稿金額が設定されている会社にリスティング広告を依頼した場合、「広告費30万円+運用代行手数料」が毎月必ず発生してしまう訳です。
リスティング広告の広告費として最低出稿額が30万円と言うのは、「そこまで高くない」と言うイメージもあるかもしれません。ちなみに、大手企業となると100万円以上と設定しているケースもあります。この最低出稿金額については、最初は気にならなかったものの、しばらく時間が経過して広告予算を削減したいと考えた時にネックになるケースがあります。例えば、もともと50万円の広告費をかけていた企業が、リスティングにかける予算を月額20万円にしたいとおもっても、最低出稿金額が決められている場合、それ以下では動いてもらえないわけなのです。この場合、かけたくもない予算をリスティング広告をまわすために余分に使わなければいけなくなります。最低出稿金額が無い企業にその時点で移ろうと考えても、契約期間の問題や新しい運用代行業者の場合、改めて初期設定からスタートしなければならないので、一時的に広告が止まってしまう…など、さまざまな問題が生じてしまいます。

こういった事を防ぐ為には、運用代行の依頼を決める前に、最低出稿金額の設定があるかどうか、ある場合は現実的な金額なのかを確認しておくべきと考えてください。

契約期間について

リスティング広告の運用代行は、多くの場合、最低契約期間も設定されます。一般的には、6カ月程度を最低契約期間としているケースが多いのですが、短い会社の中には3カ月としている場合もあります。

リスティング広告の契約期間については、広告運用の効果検証を行うためには、比較検討を行うためのデータをある程度で蓄積する必要はあることから、3~6カ月間は広告の出稿をしていただくといった決まりになっているのです。ちなみに、料金体系が『定額制』の代行業者の場合は、データの蓄積など関係なく契約期間を縛っているケースが多いです。これは、ある程度の期間は、契約を継続してもらわないと、うまみが無い料金設定になっていることから、運用代行費を抑えることができる分、最低限の利益が得られるように契約期間を設定しているのだと思います。

最低契約期間の設定がある場合、広告の出稿を止めたいと思っても、契約がある間は広告を出し続けなければいけません。したがって、今までリスティング広告などを出したことが無く、お試しで広告の運用を依頼したいといった考えの場合、契約期間などが設定されてない運用代行業者に依頼すべきです。リスティング広告である程度の利益を狙っているという方であれば、覚悟を決めて広告費の設定を行っているはずですし、特に気にならない部分かもしれませんね。

何をどこまでやってくれるのか?

当たり前ですが、リスティング広告の運用代行を利用する場合、何をどこまでしてくれるのかはきちんと確認しておかなければいけません。例えば、運用代行費が同じ金額に設定されている場合でも、業務範囲にかなりの違いが生じているケースもあるので、どこまでのことをしてもらえるのかを確認しておきましょう。

例えば、リスティング広告の運用代行を依頼した場合、どの代行業者でも適切なキーワードの設定や日々の入札調整などは当たり前のように行ってくれるでしょう。しかし、広告文のABテストを行ってくれたり、日々の運用状況を毎日レポートで知らせてくれるなど、非常に手厚いサポートがついているような会社もあるようです。ただ、手厚いサポートがあれば安心なのかと言うとそうでもないのが広告運用の難しいところです。

例えば、毎日のようにレポートを提出してもらえたとしても、レポートの内容が薄くて提出してもらっても意味がないようなケースも少なくないのです。広告の運用を代行してもらう場合、広告を出した結果、どのような効果が得られて、それ以上の効果を出すにはどうすれば良いのか?まで分析してくれるような業者が望ましいです。
そのため、月に1回しかレポートを提出しないけれど、広告の運用状況が手に取るように分かるという場合、毎日意味のないレポートを出す業者よりも圧倒的に良いでしょう。広告の運用代行を依頼する場合、運用代行費用と業務範囲のバランスをしっかりと確認しながら、どこに依頼するのかを決めましょう。

まとめ

今回は、リスティング広告の運用を専門業者に代行してもらおうと考えた時、皆さんがおさえておかなければならない代行費用の基礎知識について解説してきました。この記事でご紹介したように、リスティング広告は、社内人員で広告をまわすことも可能なのですが、多くの企業が専門業者に運用代行をしてもらうようになっています。これは、リスティング広告で効果を出すためには、「なんと検索されたときにどのような広告を出せば良いのか?」「いくらぐらいの入札価格が適切なのか?」など、効果を出すためには戦略的に広告を運用していく必要があるからです。

リスティング広告は、他の広告などと比べれば、比較的効果を出しやすい施策などと言われていることから「社内人員だけで運用することもできるのではないか?」と考えてしまうのだと思います。もちろん、広告を出稿するだけであれば、社内人員だけで何の問題もなく広告をまわせると思うのですが、適切な広告費のバランスやどこに広告を出すべきなのか、適格な判断がなかなか難しいのが実情だと思います。実際に、社内人員だけでリスティング広告を運用している企業の中には「リスティング広告は効果が無い!」という判断を下すケースが多いと言われています。そしてこのようなケースでは、適切な広告運用ができていないことで、こういった判断になっているのだと思います。

この記事の中でも少し触れていますが、リスティング広告は、適切な運用さえできていれば、これほど費用対効果が高いWeb施策はないのではないかと思えるような有用な施策です。この広告は、自分の商品・サービスを探している方が、検索行為を行った時のことを考えて、先回りで広告を配置していく手段な訳ですし、魅力的な広告文を設定しておけば「効果が無い!」なんて判断になるわけがない手段だと考えておきましょう。今まで、リスティング広告を出してみて「効果が得られなかった…」と考えている方は、ほとんどの場合、運用方法が間違っていたはずだと思いますよ。

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スタッフK

WEB業界15年以上
大小含めて15000以上のキーワードを得意のライティングでトップページに押し上げてきました。

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