SEO対策

SEO対策の基礎知識!「canonicalタグ」の必要性と使い方について

今回は、SEO対策の中でも、細かなテクニカルな話を解説していきます。皆さんは、「canonicalタグ」について、これがどういったもので、どのような使い方をすべきものなのかをご存知でしょうか?

通販サイトの運営を行っている方であれば、「canonicalタグ」の重要性を理解している方も多いと思うのですが、このタグは、Webサイト内に存在するさまざまなページについて、内容が類似・重複する場合にURLを正規化するために用いられるタグとなります。そして、このタグを正しく使えていない場合、SEO評価を下げてしまうかもしれない、重要なタグなのです。

この記事では、「canonicalタグ」について、具体的にどのような意味を持つタグなのかや、どういった場合に設定しなければならないのかを解説していきます。

「canonicalタグ」ってなんだ?

canonicalタグは、その重要性の割に、何の為に用意されているのかすら知らない人が多いようです。このタグは、冒頭でご紹介しているように、Webサイト内に、内容が似通ったコンテンツや、重複する内容のコンテンツが存在する時に、検索エンジンから評価される対象ページを指定する(統一する)ためのタグと考えておけば間違いありません。

つまり、「canonicalタグ」を正しく活用することができれば、重要ページにSEO評価を集約することができるようになり、検索上位に向けた対策としても役立つ可能性があるという訳です。

なお、canonicalタグは、URLの正規化のために用いられるタグ(詳細は後述します)なのですが、パフォーマンスやコンテンツの内容、サイトの構造などによっては、別のページが正規ページとして扱われることもあるので、その辺りは注意してください。

なぜ「canonicalタグ」の設定を行うのか?

Webサイトを活用して、集客や売上向上を目指す場合、さまざまなコンテンツを発信していくわけですので、自然と異なるURLのページが大量に制作されることになります。そして、コンテンツの制作を進める時には、意図的ではないにしても、重複した内容のページができてしまうケースは少なくありません。

皆さんも、SEO上「重複ページが存在する状況は好ましくない」という情報は耳にしたことがあると思うのですが、これは、canonicalタグを設定せずに、重複するページを放置した場合、検索エンジンからの評価がそれぞれのページに分散することになるので、正しい評価を受けることができなくなってしまうからです。

つまり、Webサイトを運営する際に、canonicalタグを設定するのは、以下の2つが主な目的となります。

  • ・重複コンテンツの状態を解消する
  • ・ページへの評価を集約する

それぞれの目的について、もう少し詳しく見ていきましょう。

重複コンテンツの解消について

canonicalタグは、上述しているように、Webサイト内に複数の重複コンテンツがある時、それらを一つのURLにまとめることができます。そしてcanonicalタグを用いてURLを一つに統一することで、Googleのクローラーの対しても「最も重要なURL」を伝えることができるようになり、SEO的な評価を統一することができるようになるわけです。

なお、こういったWebサイト内に複数存在する類似・重複したページを、一つのURLに統一して検索エンジンから評価してもらうことを「URLの正規化」などと呼びます。方法的には非常に単純で、正規でないと考えるページに、canonicalタグを設置することで、検索エンジンに「指定したページ(正規ページ)を評価してください」と伝えるような感じです。

この記事を読んでいただいている方の中には、Webサイト内に、canonicalタグで正規化しなければならないほど、「類似・重複するようなページなんてあるかな?」と疑問に思うかもしれませんね。実は、Webサイトの中でも、通販サイトや求人募集サイトでは、内容がほぼ同一のページが量産されてしまうのです。
例えば、ファッションアイテムをメインに取り扱う通販サイトなどであれば、色違いの商品を別の商品として取り扱うケースもあり、ページの中で画像や色に関する記載以外は全て同じなのに、別々のURLが作成されることは珍しくありません。求人募集に関しても、求人内容は同じでも地域が異なるため、別のURLが生成されるといったケースが考えられます。

こういったWebサイトは、取り扱う商品の特性上、類似ページが量産されるのは致し方ないのですが、URLの正規化を行わなかった場合、それぞれのページに評価が分散してしまうことになります。

ページ評価の集約について

類似・重複コンテンツが量産されるWebサイトにおいて、適切にcanonicalタグを設定し、URLの正規化を行うと、ページの評価を集約することができます。上述した、通販サイトなどの例でも、色違いの内容が重複するページについて、メインとなる1つのURLをcanonicalタグで設定することで、正規化することができ評価を1つのURLに集めることができるわけです。

URLの正規化ができていれば、Googleなどの検索エンジンから正しく評価を受けることができるので、ページの上位表示を期待することができるでしょう。反対に、canonicalタグの設定をせず、重複コンテンツを放置してしまっていると、それぞれのページに評価が分散するだけでなく、重複コンテンツを量産するページだと判断され、ペナルティの対象になってしまう恐れまであるのです。

これからも分かるように、Webサイトによっては、canonicalタグの設定がSEO対策を考えるうえで、非常に重要な要素となると考えておきましょう。

canonical設定をすべき具体的なケースについて

それでは、canonicalタグの設定をすべき場面が、どのような時なのかもご紹介していきましょう。「うちは通販サイトじゃないし類似コンテンツは発生しない!」と安心した方もいるかもしれませんが、実はコンテンツの生成以外にもcanonicalタグの設定が必要な場面がたくさんあるのです。

以下のようなケースは、きちんとcanonicalタグの設定を行っておきましょう。

httpとhttpsがどちらも存在している場合

canonical設定が必要と考えられる、最も代表的なケースが「httpとhttpsのどちらも存在する」ケースです。この場合は、canonical設定をして、URLの正規化を行っておきましょう。これを行わなければ、「http」ではじまるサイトと「https」ではじまるサイトが別のサイトと判断されてしまうリスクがあるからです。

今の時代、ほとんどのサイトがSSL認証を取得し「https」から始まるようになっていると思うのですが、きちんと設定していなければ「http」の方も普通にネット上に存在しています。そしてこの二つのサイトについては、全く同じ内容のサイトですので、別のサイトと判断されたときには、重複コンテンツとしてSEO評価が下げられてしまう恐れがあるのです。したがって、SSL化する時には、URLの正規化も同時に行っておきましょう。なお、正規URLとして設定るるのは、「https」ではじまる暗号化されているページにしましょう。

「www」の有無がある場合

次は「www」の有無についてです。こちらも、「www」があるサイトとないサイトが両方存在する場合、上記同様にURLの正規化が必要です。正規化が必要な理由は、こちらも全く同じ内容のWebサイトが2つ存在すると判断されてしまう恐れがあるからです。

正規化する場合は、「どちらにしなければならない!」という明確な基準が無いので、普段メインで使用している方のページを指定すると良いと思います。ちなみに、WWWの有無が混在している状態は、SEO評価の分散や低下のリスクがあるので、どちらかに統一するのがオススメです。

通販サイトなど、類似ページが生産される場合

これは、上で参考にしたWebサイトです。通販サイトなどは、色違いやサイズ違いなどによってページを分けるケースがあるのですが、このような作りのWebサイトは類似コンテンツが大量に生成されてしまうことになります。
こういった類似ページが生成されるWebサイトは、評価を集約する、評価を下げられないためにも、類似ページはどれか一つのURLに正規化するのがオススメです。

モバイルとPCサイトでURLが異なる場合

現在では、Webサイトのモバイル対応が必須な状況となっているのですが、モバイル対応をするために、内容はPC版と同じなのに、URLが異なるといったモバイル専用サイトを構築する手法を採用している場合、URLの正規化が必要です。レスポンシブデザインのように、URLが同一であれば特に気にする必要はないのですが、モバイル用にURLを発行し、同じ内容のページを作るケースもあるので注意しましょう。

なお、モバイル版とPCサイト版のURL正規化を行う場合、canonicalタグの他にalternateタグという「代替ページが存在する時に用いるタグ」も必要になります。

AMP用ページがある場合

AMP用ページは、スマホなどにおいて、読み込み速度の改善を目的に行われる対策です。ただ、AMP用ページを作る場合、きちんとURLの正規化を行わなければ、コンテンツの重複とみなされてしまう恐れがあります。AMP用ページは、正規ページと別のページとして用意されるので、URLの正規化が必要です。

301リダイレクトとの違い

URLを正規化する手段としては、canonical設定以外にも「301リダイレクト」と呼ばれる方法があります。

この方法を簡単に解説すると、古いページと新しいページが存在していて、古いページにアクセスしたユーザーがいれば、自動的に新しいページにリダイレクトするというものです。例えば、Webサイトのリニューアルを行う際に、URLが変更になるなんて場合に採用されるケースが多いです。この301リダイレクトについても、canonicalタグ同様に評価を新しいページに引き継ぐことが可能です。

canonicalタグと301リダイレクトについては、得られる結果は同じような感じですが、微妙な違いもあるので、以下の点を抑えておきましょう。

  • 301リダイレクト:新ページに強制移転されるので、元ページの閲覧はできなくなる
  • canonicalタグ:元ページも閲覧可能

301リダイレクトによる正規化は、ページにアクセスしたユーザーを強制的に新しいページに転移させます。つまり、通販サイトなど、親ページ以外も閲覧してもらう必要がある時には、この方法で正規化することができないのです。301リダイレクトは、Webサイトそのものの移転や新しいページとの統合など、元々あったページを見てもらう必要が無い場合に採用するものと考えてください。

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canonicalタグの設定方法について

それではここからは、実際にcanonicalタグの設定方法について簡単に解説しておきます。

canonicalタグの記述方法

まずは、canonicalタグの記述方法から解説していきます。ここまでの説明で分かるように、canonicalタグは、複数の類似コンテンツを1つのURL(正規ページ)にまとめるための記述となります。記述のルールについては、以下のような感じです。

例えば、重複するコンテンツとして、ページA、ページB、ページCがあった時に、ページAを評価してもらいたい正規ページと扱うとしましょう。この場合、

canonicalタグの記述方法
ページB、Cのheadタグの中に、rel属性「rel=”canonical”」とhref属性「href=”正規ページURL”」を記述します。

また、正規ページとなるAについて、headタグ内に上記と同様の記述を行っておくと良いでしょう。そうすることで、「canonicalで自己参照URLを記載して正規化している」として、Googleに正規ページであることを認識されやすくなります。

実際の記述について

canonicalタグの設定は、以下のような記述となります。

【PCサイトのみの場合】headタグ内の任意の位置に以下のタグを記述します。
<link rel=”canonical” href=”https://∼com”>

※上述したように、モバイルサイトとPCサイトのURLが異なる場合、canonicalタグだけでなくalternateタグを記述する必要があります。タグの記述は、以下を参考にしてください。

【PCページでの記述】
<link rel=”alternate” media=”only screen and (max-width: 640px)” href=”モバイルページURL” />

【モバイルページでの記述】
<link rel=”canonical” href=PCページURL”>

※実際に記述する際は、全て半角英数で記述してください。

canonicalタグ使用時の注意点

最後に、実際にcanonicalタグを使用する際、注意しておきたいポイントをいくつかご紹介しておきます。

複数に渡るページでの設定に注意

まずは、canonicalタグの間違った設定方法の中でも、最も多いやり方です。簡単に言うと、ページの内容が非常に長く、複数に渡るようなページでcanonical指定をするというものです。

コンテンツSEOが重要視されている現在では、1つの長文コンテンツをそのまま掲載すると見にくいと考えて、2ページ目、3ページ目とページングしているケースをよく見かけます。そして、2ページ目以降をcanonical指定するというやり方ですね。これに関しては、「指定したURLが親となる関連ページ」という意思表示が目的なのだと思います。

ただ、上述しているように、canonical設定は、重複するコンテンツの評価を集約するもので、ページングされた内容はそれぞれが全く別物で、重複していないと思います。つまり、このようなケースでは、canonical指定をする必要が根本的にないわけです。
こういったケースで、canonical指定してしまうと、そのページ自体がインデックスされなくなってしまうので、デメリットしかない使い方になります。

URLの記述間違いに注意

言うまでもないのですが、canonicalタグの設定を行う場合、URLの記述間違いには十分に注意してください。

例えば、大文字入力をしていたり、属性値間の半角スペースが無いなどといった間違いはよく見かけるので、こういった間違いが無いようにしましょう。他にも、正規ページと重複ページを逆にして入力しないようにする点も要確認です。

絶対URLで正規化する

canonical設定に関する質問で良く受けるのが、「URLはどこまで記載すれば良いの?」というものです。これについては、必ず絶対URLで正規化するようにしてください。

絶対URLは、「https://」などといったスキームまで含めたパス全体を記述したものを指しています。canonical設定を行う場合には、「href」に正規化するURLを記載するのですが、ここに絶対URLを記載してください。絶対URLではなく、ディレクトリから始まるURLを指定すると、canonicalが無視されてしまい、正規化が行われない可能性が高いです。

URLは1つ

これは、まれにある失敗例なのですが、canonicalを2つ以上記述してしまう…というやり方です。このようなやり方をしてしまうと、URLの正規化が行われませんので、設定するURLは1つにしてください。

まとめ

今回は、企業のWeb担当をしている方が押さえておきたい、canonical設定に関する基礎知識をご紹介してきました。

canonical設定は、簡単に言うと、Webサイト内に存在する、類似・重複コンテンツを1つのURLにまとめて、検索エンジンからの評価を集約するというものです。なお、この設定に関しては、上位表示対策として用いられるものというよりは、重複するコンテンツが混在してしまい、評価の分散や低下を招くリスクを無くすための手段と考えておきましょう。

基本的には、ECサイトなど、類似コンテンツが大量に生成されるような時に活用されるのですが、SSL化が一般的になった現在、Web上に重複コンテンツがたくさん存在する状況で放置されてしまうケースが増えているのです。canonical設定は、そこまで複雑な手段ではありませんし、ぜひ確認しておきましょう。

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スタッフK

WEB業界15年以上
大小含めて15000以上のキーワードを得意のライティングでトップページに押し上げてきました。

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