SEO対策

Webサイトのリニューアル後は検索順位が下がる?順位が下がる主な要因をご紹介

今の時代、ほとんどの企業が自社のWebサイトを公開して、最新情報の発信やお客様からの問い合わせなどに利用するようになっています。Webサイトを利用した集客や販売については、当然、自社の対象となる顧客が何らかのキーワードで検索した際、その検索結果の上位に表示されて初めて効果を期待することができます。そのため、多くの企業は、競合他社とのWEB戦略に打ち勝つため、SEO対策やWEB広告運用を日々努力しているはずです。

しかし、弊社にお問い合わせいただくお客様の中には「今までHPで集客できていたのに、リニューアルをしたら急に流入数が激減してしまったのですが…」といったご相談を投げかけてくる方が多いです。Webサイトは、デザインの流行り廃りや技術的な進歩などに対応するため、数年に1度と言った頻度で大幅なリニューアルを行うのが一般的なのですが、実は、このリニューアルに失敗してしまうと、検索順位が大幅に下落してしまうということがあるのです。リニューアル後の検索順位の下落については、いくつかの原因がありますので、ここでは主な原因を分かりやすくご紹介していきます。

サイトリニューアルで検索順位が下がる原因

それではここから、実際にあった過去の事例などから、Webサイトのリニューアル後に「検索順位が下がってしまった…」「サイトへの流入数が激減してしまった…」という現象について、代表的な原因をいくつかご紹介していきます。

①リダイレクトの設置漏れ

Webサイトのリニューアル後に、大幅に流入数が減少した…という場合、真っ先に考えられる原因が「リダイレクトの設置漏れ」です。

Webサイトのリニューアルでは、ドメインや各ページのURLが変更になることも少なくありません。そしてそのようなケースは、旧ページに「新ページへ永続的なURLの変更を伝える301ステータスのリダイレクト」を設置する必要があります。これにより、旧ページに訪れたユーザーや検索エンジンのクローラーを新しいページに転送することができるようになるのです。この設定を行っておけば、検索エンジンが「ページのURLが変更された」ということを理解しますので、旧ページが受けていた検索エンジンからの評価も新たなページに引き継ぐことができるようになります。逆に言えば、リダイレクト設定が漏れていた場合、ユーザーやクローラーが新しいページにたどり着けなくなるので、流入数が減少したり、順位が下がったりするわけです。

こういったことからも、リニューアル後に流入数が激減した場合は、アクセス解析ツールなどを用いて、流入が減った新ページをリストアップし、そのページにきちんとリダイレクトが設置されているのか確認してみましょう。

②必要なページを削除していた

Webサイトをリニューアルする際には、複数のページを統合して一つのページにしたり、不用と考えるページを削除するといった内部の整理を行うのが一般的です。そして、この際に削除したページが、実は多くのユーザーの流入を獲得していて、ページを削除したことが原因で、サイトへの流入数が激減するといったケースも少なくありません。

この失敗に関しては、リニューアルの前に、統合する、削除するページについて、きちんとアクセス解析ツールを利用して「現状のアクセス数」を確認しておけば防ぐことができます。また、確認せずに既に削除している場合は、リニューアル前後で、「流入がなくなったページ」を探し、削除したページがどれだけアクセスの獲得に役立っていたのかを検証する必要があるでしょう。その上で、「どうしても流入数を戻したい」と考える場合は、削除したページを復活させる必要があるでしょう。

なお、削除するページについて、そのページのSEO評価を他のページに引き継がせるため、関連のページにリダイレクトを設置する場合が多いです。この場合、リニューアル完了から数日は流入を維持できますが、リダイレクト先のページ内容が検索クエリに対して評価できないと判断されると、以前のページのSEO評価を維持できず、次第に検索順位が下がり流入数は減っていくと予想できます。

③ページのタイトルを変更した

リニューアルに際して、各ページやコンテンツのタイトルを変更した場合、流入を獲得できていた検索クエリでの順位が下落する可能性が高いです。例えば、ある検索クエリで上位に出ているページについて、検索クエリを含まないタイトルに変更した場合、その検索クエリに対する評価が下落します。また、ある程度の順位をキープできたとしても、CTRが下がってしまうといった悪影響が出る可能性もあるでしょう。

Webサイトのリニューアルを行う際には、相当な理由が無い限りは各ページ、コンテンツのタイトルは維持するように心がけましょう。

④コンテンツの内容を大幅に変更した

あまり多いケースではありませんが、リニューアルに際して、コンテンツの内容を大幅に改変した時には、検索順位が下落する可能性があります。例えば、今まで上位表示されていたコンテンツに関して、大幅に情報量を減らしたり、内容の一部を削除するといった変更を加えると、検索エンジンから検索クエリに対する評価が下がってしまい、順位が大幅に下がる結果になりかねないのです。当然、順位が下がれば、流入数は減少するでしょう。

これが原因の場合、流入が減ったコンテンツについて、「何を削除したのか?」をチェックしてみると良いでしょう。ちなみに、リニューアル時に不適切なSPA(シングルページアプリケーション)の導入などを行った場合、検索エンジンがページをレンダリングできない状態になってしまい、検索クエリに対する評価が下がってしまうこともあります。リニューアル後に、順位の下落があり、上で紹介したような原因が考えられない場合、検索エンジンのクローラーがきちんとコンテンツをレンダリングできているか確認してみましょう。

⑤ナビゲーションなど、内部リンクを変更した

検索エンジンのクローラーは、内部リンクがきちんと設置されていれば、基本的にサイト内のコンテンツを全て認識することが可能です。これが、Webサイトのリニューアルに際して、ナビゲーションやページ内リンクを変更した時に、各ページをたどれるリンク導線がなくなってしまうケースがあります。他にも、リンク階層が深くなってしまうなんてことも多いのですが、こういった場合、検索エンジンのクローラーがたどり着けないページが出て来てしまい、そういったページの評価が下がってしまうケースがあるのです。

Webサイトのリニューアルを行う場合、ナビゲーションやページ内リンクが変更になるというのは、当たり前のことではあるのですが、重要ページへのリンク導線がきちんと確保できているかは確認しておかなければ痛い目を見ます。

⑥間違ってクロールの拒否設定をしている

これは凡ミスに分類される原因です。Webサイトのリニューアルは、既存サイトを生かしたままテスト環境を作り、新たなサイトの制作を進めるのが一般的です。そして、リニューアル中は、robots.txtなどで検索エンジンのクローラーの巡回拒否を設定しておくわけです。そして、このクローラーの巡回拒否設定をしたまま本番環境に上げてしまい、リニューアル後に検査エンジンがサイトをクロール出来ない状態になってしまい、順位が下がってしまうという状況です。

この原因については、Google Search Consoleで「robots.txt によりブロックされました」のステータスがリニューアル後に増加していないかを確認してください。

⑦「noindex」設定をしている

「noindex」設定は、検索エンジンへの登録を拒否する設定です。原因⑥と同じように、リニューアル中は検索エンジンに登録されないよう、 noindexタグの設定を行っているのが一般的です。そして、本番環境への公開時に、このタグを削除し忘れてそのまま公開し、リニューアル完了後にサイトへの流入数が激減するという失敗は意外に多いです。

この場合も、サーチコンソール上で「noindex タグによって除外されました」の推移が増加しますので、気付いたらすぐに「noindex」設定を解除しましょう。

リニューアル後の順位下落がしたら原因を見極めよう

皆さんに覚えておいてほしいのは、Webサイトをフルリニューアルすると言う場合、リニューアル前後の検索順位や流入数というのは、多かれ少なかれ、必ず変動するものです。もともと上位表示されるようなことが無かったという場合であれば、この変動に気付けないでしょうが、さまざまな検索クエリでトップページに表示されていたというサイトの場合、驚くほど流入数や検索数が減少すると思います。

ただ、きちんとリダイレクト設定などをしておけば、この現象は一時的なものとなり、しばらくすると元の順位や流入数に近い状態に戻ってくるはずです。しかし、何らかの失敗をしている場合には、待てど暮らせど、検索順位が戻らない…となってしまう訳です。

こういった時には、当然「何が原因で検索順位が戻らないのか?」を特定して、正しい対処をしてあげる必要があります。リニューアル前後のWebサイトの調査については、アクセス解析ツールなどを用い、流入の減少が、サイト全体的なものなのか、同一カテゴリに対するものなのか、特定のページに関するものなのか、徐々に対象範囲を狭めていく形で確認していくと良いでしょう。なお、流入数の減少範囲が特定できた場合は、何が原因なのかを判断する必要があります。流入数の減少原因については、以下のような振り分けができます。

サイト全体で流入数の減少がみられる場合

  • ・リダイレクト設定漏れ
  • ・検索エンジンからのクロールを拒否している
  • ・検索エンジンへの登録を拒否している

ページ、カテゴリ、検索クエリ単位で流入数の減少がみられる場合

  • ・特定のページ(カテゴリ)を削除した
  • ・コンテンツのタイトルを変更した
  • ・コンテンツの内容を変更した
  • ・内部リンクを削除、変更した

サイトリニューアルによる順位下落は早めの対処が重要

ここまでは、Webサイトのリニューアルによって検索順位が下落してしまう要因についてご紹介しました。それでは、この記事でご紹介したような失敗をしてしまい、実際に検索順位が下落し、サイトへの流入数が激減してしまった場合、「元の状態に戻すことができるのか?」が最も気になるのではないでしょうか。これについては、上述したような流れで、順位が下落した原因を突き止め、適切な対処を行うことで、リニューアル前の状態に戻すことは可能です。

ただ、順位下落について「リニューアルしたのだから順位が下落するのは当たり前!」としばらく放置する人が意外にも多いです。もちろん、サイトを大幅にリニューアルした場合、一時的に順位が下落するのは致し方ないのですが、その状態を1カ月も2カ月も放置するのはNGです。というのも、上で紹介したような失敗が原因で順位下落が起きている場合、対処するのに時間が経過してしまうと、復活にかかる時間も長くなってしまう傾向があるのです。

特に、リダイレクト漏れやページ削除による順位下落については、1カ月以上放置してしまうと、以前のSEO評価を失い、ゼロから評価を高めていく必要があると考えましょう。要は、大きな損失になるということです。

まとめ

今回は、Webサイトのリニューアルについて、リニューアル前後で検索順位が下がってしまう原因についてご紹介してきました。Webサイトのリニューアルは、サイトのデザインやシステムが古くなったからと言った理由で行う場合もありますが、基本的には「より効果の出せるサイトにしたいから!」と考えて行う方が多いと思います。というのも、Webサイトのフルリニューアルになると、やはり多額のコストがかかってきますので、その分、リニューアル後の効果を誰もが期待してしまうからです。

しかし、Webサイトのリニューアルの難しいところは、良かれと思って行った結果、以前のサイトよりも検索順位が下がってしまい、集客効果なども低下してしまう恐れがある点です。というのも、Googleなどの検索エンジンは「Webサイトのデザインがキレイなのか?」という視点で検索順位を決めているのではなく、サイト全体の構成やコンテンツの充実度が重要視されるのです。つまり、リニューアルの結果、以前のサイトよりもSEO上評価できないと判断されると、いくら綺麗なデザインで新しいシステムになったとしても、検索順位は下がるわけです。

Webサイトのリニューアルは、意外と簡単に考えられがちですが、そこまで単純なものではなく、注意点も多いということを忘れないようにしましょう。

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スタッフK

WEB業界15年以上
大小含めて15000以上のキーワードを得意のライティングでトップページに押し上げてきました。

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