SEO対策

Webサイトのページ表示速度を向上させるメリットと、具体的な対策をご紹介

企業のWebサイト運用を担当している方であれば、「ページの表示速度が重要」という情報を耳にしたことがあると思います。しかし、ページの表示速度と言われても、「どの程度の速度なら良いのか?」「そもそも何をすれば改善されるのか分からない…」という声が多いです。

実は、Webサイトのページ表示速度は、検索結果上位を獲得するためのSEO的な観点からも、実際にWebサイトに訪れてくれた人のユーザビリティやコンバージョン率改善の面でも、非常に大切な要素となっています。さらに近年では、Webサイトへのアクセス経路について、モバイル端末が増加していることにより、Googleではさらに表示速度を重視するようになっていると言われています。したがって、これからWebサイトを活用して集客や売上の向上を考えるのであれば、表示速度の改善がカギになってくるということは間違いない事実と考えておいた方が良いでしょう。

そこでこの記事では、Webサイトのページ表示速度を改善することで得られるメリットや、実際に改善したいと考えた時の具体的な対策について分かりやすくご紹介していきたいと思います。

Webサイトの表示速度を向上させるメリット

それではまず、Webサイトのページ表示速度を向上させた場合にどのようなメリットが存在するのかをご紹介していきましょう。冒頭でご紹介しているように、現在では、SEO対策の観点からもページ表示速度は非常に重要な要素となっています。そもそも、表示速度については、2010年からGoogleによる検索順位アルゴリズムの要素の一つとして利用されており、モバイルからのアクセスが増加したことにより、2018年には「Speed Update」が実施され、モバイル版の検索ランキングでも、表示速度が重要視されるようになっています。実際に、このアップデートにより、表示速度が遅いWebサイトは、明らかに検索順位が下がってしまったと言われています。

それでは、実際にページの表示速度を改善させた場合のメリットについて、代表的な物をご紹介していきましょう。

メリット1 UXが向上する

Webサイトの表示速度は、サイト訪問者のユーザー体験の質に直結します。Webサイトを制作する時には、ビジュアルを良くすることやコンテンツの充実を意識してしまいがちですが、いくら綺麗なデザインで中身が良いものだとしても、ページの読み込み速度が遅くなってしまうと、ユーザーはストレスに感じてしまい、Webサイトそのものに対しても悪印象を持ってしまいます。

その一方、ページの表示速度が速く、快適にWebサイト内を回遊できれば、望んでいた情報に素早くたどり着くことができるようになりますので、満足度も当然向上します。その結果として、直帰率や離脱率の改善にもつながるでしょう。

メリット2 SEO対策の面でも有利

上述したように、Googleの検索アルゴリズムでは、ページの表示速度が検索順位決定の一つの要素となっています。そもそもGoogleが検索順位を決定する時に重視するのは、サイトが美しいデザインなのかではなく「ユーザーにとって有益なサイトなのか?」が最も重要です。

そして、ページの表示速度が早ければ、上述したようにユーザーの満足度が高くなるわけですので、Googleからの判断も「ユーザーにとって良いサイトだ」となり、検索順位向上に役立ってくれるわけです。ページ表示速度がSEOの観点からも重要なのは、表示速度が早ければ、Webサイトに訪れたユーザーの離脱率・直帰率・CVRが向上し、結果的にWebサイト全体のパフォーマンスが上がり、それが評価されるからです。

ただ、注意しておいてほしいのは、「表示速度が速い」だけではSEOでの検索順位が向上するわけではありません。ページの表示速度は、あくまでも順位を決める一つの要素でありますので、中身が伴っていて初めて検索順位に影響を与えると考えておきましょう。Webサイト内のコンテンツが充実していなければ、表示速度以前の問題になります。

メリット3 コンバージョン率の向上が期待できる

ページの表示速度はコンバージョンレート(CVR)の向上も期待できると言われています。というのも、いくら質の高いコンテンツを用意したWebサイトだとしても、ユーザーが回遊するのにストレスを感じてしまうほど表示速度が遅い場合、途中であきらめてページを離脱してしまう可能性が高くなります。これはつまり、ページ表示速度が遅いWebサイトほど、コンテンツを見てもらえる機会や時間が少なくなるという意味で、サービスや商品の良さが十分に伝わらないことから、コンバージョン率がどうしても低下してしまうようになるのです。

これが、Webサイトの表示速度が速くなれば、ユーザーはストレスを感じることなくさまざまな情報を閲覧することが可能になります。したがって、ページからの離脱率が減少し、その結果、機会損失が減ってコンバージョン率が向上するというメリットが得られるのです。

このように、Webサイトのページ表示速度の改善は、既存サイトに潜んでいるさまざまなデメリットを解消することができるのです。そしてその結果、検索順位の向上やCVRの向上など、さまざまなメリットをもたらせてくれます。

ページ表示速度はどのようにして改善すれば良いのか?

ここまでの説明で、ページの表示速度の速さは、Webサイトにとって非常に重要な要素だということが分かっていただけたと思います。しかし、どのようにすればWebサイトの表示速度が向上するのかについては、具体的な手段がイメージできないという方も意外に多いです。

というのも、見た目上は同じような構成になっているWebサイトでも、ページの表示速度が大きく異なるなんてケースは珍しくありません。そのため、サイトの見た目上、どこをどう修正すれば、表示速度が改善されるのかが、全く想像つかないケースが多いのです。

ここでは、ページの表示速度を改善するための具体的な手法をいくつかご紹介していきます。

対策1 画像の最適化

一つ目の対策としては「画像の最適化」です。画像サイズの最適化は、ページ表示速度の改善には非常に有効な手段となります。

というのも、Webページを構成する要素の中で考えてみると、テキストデータと比較すると、画像はデータのサイズがかなり大きな要素となります。そして、ユーザーがページにアクセスしたときに、ページの内容をダウンロードしていくわけですので、データ量が大きければ大きいほど表示するための通信量が増えるので、表示速度が遅くなるのです。逆に言えば、画像のデータを圧縮してあげることでデータ量が少なくなることから、表示速度が改善されるのです。

こういったことから、Webページ内に配置する画像については、可能な限りそのページでの表示に適したサイズにトリミングするのがオススメです。CSSなどで調整することで、大きい画像の表示を自動で小さくすることは可能なのですが、表示が縮小されても画像のデータ量は大きいままになってしまい、表示速度が悪化します。したがって、ページのデザインに合わせた大きさにトリミングして配置するようにしましょう。
また、最近では、画質をそのままに画像のデータサイズを圧縮してくれる無料ツールが登場していますので、それらを利用して画像のデータ量を小さくしていくのがオススメです。

対策2 無駄なソースコードは削除

Webページ内に使われているHTMLやJavaScriptなどのソースコードについては、短ければ短いほど、読み込み時間が短縮され、表示速度が向上します。ユーザーの目に見える部分ではないので、無視されがちなのですが、こういった細かな対策を施すことがSEO対策でも重要になります。

具体的には、以下のような対策を施すことで、ファイルサイズを軽くすることができ、表示速度の改善が見込めます。

  • ・HTML、JavaScript、CSSなどのファイルについて、ソースコード内の不要な改行を削除
  • ・不要なコメントアウトなどを削除

上記のような、非常に単純な対策でも、ページ表示速度の改善につながります。なお、JavaScriptについては、複数のファイルに分けている場合が多いのですが、ファイルの数が多くなるほど通信が発生しますので、ページの表示速度は悪くなります。したがって、分かれているファイルを一つのJavaScriptにまとめるというのも、表示速度を改善するための効果的な対策になります。

ちなみに、ソースコードの圧縮についても、手作業で行うのではなく、自動的に最適化してくれる無料ツールが存在しますので、そういったものを利用すると良いでしょう。

対策3 サーバーの応答時間を短縮

当然のことですが、Webサイトを表示するためのブラウザとサーバーのやりとりについて、この部分の時間短縮ができれば、表示速度が改善します。

Webサイトを表示する場合には、ブラウザがサーバーに情報をリクエストし、サーバーから帰ってきた情報をブラウザが画面上に組み立てるという仕組みになっています。そのため、このブラウザとサーバーのやりとりにおいて、サーバーの反応が遅いと、結果的にページの表示速度が遅くなってしまう訳です。なお、このやりとりに関しては、Webページを構成するファイルが多ければ多いほど、表示に時間がかかるようになってしまいます。そのため、対策2でご紹介したように、複数のファイルを統合する、ファイル内を整理するといった対策が重要になる訳です。

また、サーバーのスペックそのものが低い場合、前述のような対策を施しても、応答に時間がかかってしまいます。一般企業のWebサイトであれば、安価なレンタルサーバーを利用しているケースが多いのですが、SEO対策のことも考える場合、余りに安価な低スペックなサーバーはページの表示速度が改善できず、上位化しにくくなるのでオススメできません。

対策4 ブラウザのキャッシュを使う

キャッシュを上手に活用することで、ページの表示速度を改善することが可能です。

キャッシュは英語で「cache」と表記する言葉で、日本語に訳すと「貯蔵所」「隠し場所」といった意味になります。Web界隈で考えると、ユーザーが何らかのWebサイトに訪れた際、ブラウザがそのWebサイトのデータを保管しておくようにし、再び同じページにアクセスしたときには、保存していたデータを使用することで読み込みを早くするという仕組みです。

つまり、キャッシュを利用することで、再訪問するユーザーについては、ブラウザとサーバーのやりとりが必要なくなる分、不用な通信が減り、表示速度が速くなるのです。

対策5 gzip圧縮を設定

Webページは、さまざまなファイルを読み込むことでページが表示されます。つまり、ページを構成するためのファイルについて、サイズをできるだけ小さくしてあげることは、それだけ読み込み時間が少なくなるので、表示速度が速くなります。

皆さんも、ページの表示速度を改善するには、ファイルや画像を圧縮することが効果的という情報は耳にしたことがあると思います。実際に、Webページを構成するHTML、javascript、cssなどのファイルを圧縮し、通信量を減らすことで、ページの表示速度が改善されるのです。

なお、ファイルのサイズを圧縮する場合、Googleでは「gzip圧縮」が推奨されていることから、この方法が多く使用されています。ただ、gzip圧縮は、Apacheサーバーのmod_deflateが有効になる設定や、「.htaccessファイル」での設定が必要など、ある程度の知識が必要ですので、不安であれば専門業者に依頼しましょう。

対策6 外部ファイルの読み込みを工夫する

Webページはさまざまなファイルで構成されているのですが、それらの読み込みスピードを速くし、ページの組立て工程をスムーズにすることで、ページの表示速度を改善することが可能です。

ちなみに、Webサイトは、HTMLを基に構築されているのですが、一つのファイルだけで作られているわけではありません。上述しているように、Webページは、HTML以外にも、CSS、画像、JavaScriptなど、多数の外部ファイルを読み込むことでページが構成されているのです。そして、こういったファイルの中に、不必要にサイズが大きい物や読み込みに時間がかかるものは、ページを表示する時のボトルネックになってしまいます。

したがって、この問題を解決するために、以下のような対策が有効です。

  • ・CSSとJavaScriptを読み込む際に、ページのレンダリングをブロックしないようにする
  • ・更新頻度が低い複数のcssを合併させ、サーバーへの参照リクエストを減らす
  • ・JavaScriptの読み込み順を整理する。また非同期での読み込みが可能なら行う

この辺りは、技術的な処理が必要ですので、専門業者に相談するのがオススメです。

対策7 AMPを利用する

AMPは「Accelerated Mobile Pages」の頭文字をとった略語で、簡単に言うと、モバイルデバイスでアクセスしてきたユーザーに向けて、ページの表示速度を早くするための仕組みです。これを導入すれば、モバイルページでは劇的に表示速度が改善できます。

なお、AMPページは、ページを閲覧するのに不必要と考えられるファイルの読み込みをしないといった感じの仕組みで、この仕組みを導入した場合、モバイルデバイスでページを見た時には、かなりレイアウトなどが変わってしまい、サイトがユーザーに与えるイメージはかなり違ってくると考えておきましょう。

ただ、Googleでの検索順位にはかなり影響を与えると言われていますので、ぜひ活用したい仕組みと言えるでしょう。なお、ワードプレスで構築したサイトであれば、プラグインを導入することで、AMPページが自動で生成されるので便利です。

対策8 スペックの高いサーバーにする

上述しているように、サーバーのスペックは、ページの表示速度に大きな影響を与えます。スペックが高く通信速度が早ければ、それだけサーバーからの応答時間が短くなり、表示速度が速くなるのです。レンタルサーバーサービスは、価格に大きな格差がありますが、「できるだけランニングコストを安くしたい!」と考えて、安価なサーバーにすると、後々困ってしまうことになります。サーバーの反応が遅ければ、サイト側にさまざまな対策を行ったとしても、表示速度を改善することができないのです。

ちなみに、ページの表示速度を決めるサーバーの要素については、以下のようなポイントで見極めると良いでしょう。

  • ・回線速度:数値が大きいほど速度が速くなります。
  • ・CPUのコア数:数値が大きいほど処理が早くなります。
  • ・HDDかSSD:SSD採用モデルの方が処理が早いです。
  • ・メモリ数:数値が大きいほど処理が早くなります。

上記のようなポイントを比較して、サーバーを選ぶと良いでしょう。なお、ワードプレスで構築する、一般的なコーポレートサイトであれば、Xサーバーを採用しておけば基本的に問題ないと思います。

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まとめ

今回は、企業のWeb担当者の中にも見落としてしまっている方が多い、ページの表示速度について解説してきました。この記事では、Webサイトのページ表示速度を速めるための対策をご紹介していますが、今までこのようなことを考えてこともなかったという方が多いのではないでしょうか?

もちろん、検索結果から自社サイトをクリックして、ページが表示されるまでに5秒も10秒もかかるとなれば「これはマズい…」と思うのでしょうが、ここでいうページの表示速度は、人が体感では気づけない程度の速度改善策が多いので、「対策を行っても大した効果なんてない!」と考えてしまう方が多いのです。

例えば、きちんとした制作会社にWebサイトの構築を依頼したのであれば、ページの表示速度は検索結果の順位にも影響すると理解していますので、制作段階でさまざまな対策を施してくれていると思います。ただ最近では、安価に仕事を受けている個人の技術者に仕事を安く依頼するケースが多くなっており、こういった細かな対策が何も施されていない場合も多くなっているのです。

Webサイトの制作費用は、当然安くしたいものでしょうが、安いのには安いなりの理由が必ず存在しています。そして、この記事でご紹介しているような、SEOの観点からも重視される対策を削除することで安くなっているのであれば、Webサイトを作っても何の効果も出ない状況に陥ってしまいます。Webサイトは、目に見えない部分に施さなければならない対策が意外に多いので、デザインの綺麗さばかり追求するのはやめましょう。

なお、Webサイトの表示速度については、「PageSpeed Insights」などを使えば確認することが可能です。

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スタッフK

WEB業界15年以上
大小含めて15000以上のキーワードを得意のライティングでトップページに押し上げてきました。

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