TVCMでも見かける『BASE』とは？BASEを利用するメリットとデメリットについて
ここ最近、テレビのCMなどで『BASE』の名前をよく耳にするようになっていると思うのですが、これがどういったサービスなのかイマイチ分かっていないという方も多いようです。BASEは、端的に言うと、WEB関連の知識があまりない初心者の方でも、簡単にECサイトを開設できるサービスで、通常は開設するだけで多額のコストがかかるECサイトなのに、出店するだけであれば無料で出来るというのが大きな特徴になります。
ただ、「無料でECサイトが開設できる！」と言われると、逆に怪しく感じてしまい、なかなか手が出せないという気持ちになってしまう方も多いですよね。そこでこの記事では、BASEとはどのようなサービスなのか、また実際に利用する場合のメリットとデメリットについて解説します。
BASEってどんなサービス？
BASEは、誰でも簡単に、さらに『無料』でネットショップを開設できるサービスです。公式サイトが公表している情報では、2022年10月現在、なんとBASEを利用して開設されたネットショップは180万件以上あるそうです。
BASEは、ECサイトを開設するために絶対に必要になる、カート機能や決済機能、簡易的な顧客管理システムなど、ネットショップの運営に必要な機能が一通り揃っています。そのため、今までWebサイトの構築などを経験したことが無い初心者の方でも簡単に自分のネットショップを開設できるのが大きな魅力になります。
なお、通常、ECサイトを開設しようと思えば、我々のようなWeb制作会社に依頼するのが一般的で、デザインや制作のための初期費用や、サーバーやドメインなどの運用コストがかかります。しかしBASEの場合は、基本となるデザインテンプレートなどが用意されていますし、SNSのアカウント設定のような簡単さでネットショップの開設ができ、さらに初期費用やシステム利用のための月額費用などは一切かからないのです。BASEでは、実際に商品が売れた時に決済手数料やサービス利用料が差し引かれるだけなので、金銭的なリスクを抱えることなくネットショップの開設ができるという点が多くの方から支持されています。
以下で、BASEの特徴をもう少し詳しくご紹介します。
特徴① 『無料』でネットショップが開設できる
BASE最大の特徴は、ネットショップの開設にお金がかからないことです。また、ネットショップを開設しても、商品が売れない限りはシステム利用料などがかかりません。BASEでは、ネットショップを開設し、実際にユーザーが商品を購入した際に手数料や利用料が差し引かれる仕組みになっています。つまり、商品が売れるかどうかわからないのにコストをかける…といったリスクなしにネットショップの運用が可能なのです。
例えば、大手ECモールサービスを利用してネットショップを開設した場合、商品が売れた時の販売マージンがかかるのは当然として、売れなくても毎月決められた利用料を支払わなければいけません。つまり、ネットショップの売り上げが無いにも関わらず、月額の維持費がかかってしまうので、赤字が積み重なってしまうリスクがあるのです。BASEは、こういったリスクが一切ないので、個人商店さんなどがお試し感覚でネットショップをもてるという点が魅力です。
特徴② 専門知識は特に必要としない
二つ目の特徴は、パソコンやWebサイト制作に関する特別な知識やスキルが無い人でも使いこなせることです。ネットショップの開設になかなか踏み切れないという方の中には、パソコンスキルが高くないことから、高額な初期費用がかかる…、コストをかけてECサイトを作ってもうまく運用できない…といった点を懸念しているケースが多いです。
これがBASEであれば、特別なパソコンスキルなど一切必要なく、WEBサイトの完全な初心者の方であっても、短時間でネットショップの開設までこぎつけることができるのです。
もちろん、ネットショップの開設後には、運営者情報や商品情報の登録など、ネットショップの各種設定や管理をしなければいけません。実はこの部分に関しても、誰でも使いこなせるようにと、フォーマットがそろえられているので、簡単にデザイン性の良いショップを開設することが可能です。
特徴③ 無料なのにサポートが充実している
ネットショップ初心者の方にBASEがオススメ出来るポイントとして、初心者向けのサポートがきちんと整っている事があげられます。
通常、無料で使用できるサービスであれば「手厚いサポートは期待できない」と考えてしまうことでしょう。しかし、BASEの場合、チャットによるオンラインサポートが用意されているので、ネットショップの運用面で分からないことがあれば、手軽に相談することができます。その他にも、ネットショップの運営について、より売り上げを増やしていくためのセミナーなども定期的に開催されています。
将来的には、大規模なネットショップの運営を考えているという方でも、最初は初心者ですので、一からネットショップの運営を学びたいという方にとっては、BASEがちょうど良い入口になると思います。
BASEを利用するメリットとは？
それでは次に、実際にネットショップを開設しようと考えた時、BASEを利用するメリットについてご紹介します。BASEのメリットと言えば、なんといっても『無料』でネットショップの開設ができるという点なのですが、ここではBASEならではと言える機能的なメリットをいくつかピックアップしてみます。
メリット1 決済機能が充実している
ネットショップでは、どのような決済機能が用意されているのかが、集客を左右する非常に大きなポイントになります。そして、BASEの場合、「BASEかんたん決済」が用意されているという点が非常に大きなメリットになります。「BASEかんたん決済」は、以下のような決済サービスが自分のネットショップで利用できることを意味します。
- ・クレジットカード決済
- ・キャリア決済（docomo、au、softbank、Y!mobile など）
- ・銀行振込
- ・コンビニ決済・Pay-easy
- ・PayPal決済
- ・後払い
- ・Amazon Pay
BASEでは、上記の決済方法が用意されていて、BASEでネットショップを作った場合、面倒な手続きなどせずに、すぐに豊富な決済機能が利用できるのです。現在では、欲しい商品を見つけた時でも、希望通りの支払い方法が用意されていないことを理由に、購入をやめてしまう人が多くなっていると言われています。そのため、ネットショップを運営する時には、決済手段の豊富さが売り上げを左右する重要要素と捉えられる要因になっているのです。
通常のECサイトであれば、カード決済機能を搭載したい場合、自分でカード決済会社に申し込みを行い、審査してもらう必要があります。その他の決済機能に関しても同様で、さまざまな手続きを踏んだうえで、使えるようになるのです。これがBASEであれば、ネットショップの開設時点からさまざまな決済方法が使えるというのですから、非常に大きなメリットになるでしょう。
メリット2 SNSと連携可能
BASEは、InstagramやTikTokといったSNSと連携できる点が大きなメリットです。
例えば、Instagramの投稿に商品をタグ付けしておくと、ユーザーがタップすることで、BASEの商品ページに推移させることができるようになるのです。こういったSNSとの連携機能も無料で利用することができます。
InstagramやTikTokは、若者から人気のSNSですし、写真や短時間の動画をメインとしたものですので、うまく使えば非常に高い宣伝効果が期待できます。ネットショップの広告展開についても、デフォルトの機能で用意されているのはBASEならではのメリットになると思いますよ。
メリット3 BASE専用アプリが用意されている
BASEでネットショップを開設する3つ目のメリットは、BASEでショップを作り、商品を登録するだけで、BASE専用のアプリにもその商品が自動で掲載されるという点です。BASEは、専用アプリが作られていて、なんと既に900万人を超えるダウンロード数になっていると紹介されています。つまり、ネットショップを開設し、商品を登録すれば、アプリ経由で勝手に集客してもらえる可能性があるのです。
どのようなショップでも、開設したばかりのころは無名ですので、なかなか買い物をしてもらえないことに悩んでしまうこともあります。これがBASEであれば、アプリを利用している900万人のユーザーの目に触れる可能性があるのです。
メリット4 優れたデザインテンプレートが豊富
自分でネットショップを開設するとなると、オシャレでカッコいいデザインを作りたいけれど、デザインの知識がない…ということで悩んでしまう方も多いです。
BASEでは、プロのデザイナーがデザインしたテンプレートが豊富に用意されていて、その中から商品に最もマッチするデザインの物を選ぶことで、簡単にプロ並みのネットショップを開設することが可能です。さらに、他のお店と差別化したいと思う場合でも、BASE専用のデザインテンプレートが販売されていますので、そういったデザインを購入することで、より良いショップを作成することが可能です。
メリット5 ネット通販のノウハウを学べる「BASE U」が便利
最後は、「BASE U」と呼ばれるネットショップのノウハウを学べるサービスが用意されている点です。BASE Uは、ネットショップ運営のノウハウのほか、その時に抑えておきたいお役立ち情報を配信してくれるサービスです。
今までネットショップなど触ったことが無い人であれば、「そもそも何をすれば良いのか分からない…」と根本的な部分に不安を感じてしまいますよね。「BASE U」では、そのような悩みを抱えていた人が、どのようにしてBASEで売り上げを上げられるようになったのかといった情報の他、実際にBASEでショップを開設するまでの流れなど、さまざまな情報を確認することが可能です。現在、ネットショップの開設を検討している方は、BASEを利用するかどうかに関わらず、確認しておいて損はないと思います。
BASEを利用するデメリットとは？
上記のように、BASEは無料でネットショップが開設できるだけでなく、さまざまな便利機能が用意されている、販促のための情報が豊富など、多くのメリットが存在します。ただ、大手ECモールや一からECサイトを開設する手法と比較すると、明確なデメリットが存在するのも確かです。
ここで、BASEを利用する場合に考えておきたいデメリット面をいくつかご紹介します。
デメリット1 集客力が弱い
BASEについては、誰でも簡単に無料でネットショップを開設できるものの、集客力が非常に弱く、「コストはかからないけど売り上げも上がらない」といった状況になりやすい点が最大のデメリットです。最近でこそ、有名芸能人を使ったCMを見かけるようになっていますが、まだまだショップ開設者を募っている段階で、amazonや楽天ショップなどと比較すると、買い物をするユーザーからの知名度は非常に低いと言わざるを得ません。さらに、BASEで作成されたネットショップに関しては、現状、Googleで検索されたときに、上位表示される可能性がほぼ皆無ですので、自然検索で自分のショップにお客様が集まることも期待できません。
要は、簡単にショップを開設できるものの、商売になるほどの売り上げを作るまでにかなりの時間と工夫を要するのが大きな難点になっています。なお、BASE側でこの問題を解消してくれた場合、ショップ出店者が急増してしまうことになるので、ライバル店が増えすぎてしまい価格競争になることが予想できます。つまり、将来的にも、BASEのネットショップで、大きな売り上げを目指すのはなかなか難しいと考えている人も多いです。
デメリット2 商品が売れるとその分負担が増える
これは、ネットショップ開設時の初期費用が無料である、システム利用のための固定費が無い分、致し方ない部分ではあります。上述しているように、BASEは、商品が売れた時に、システム利用料や手数料が発生する仕組みですので、売上が上がれば上がるほど運営者の負担が増えていくという特徴があります。中には、この部分をデメリットと感じてしまう方がいると思います。
制作会社に依頼してECキューブなどを使って制作したECサイトであれば、初期費用としてそれなりの費用は掛かりますが、販売による売り上げは自社の物となります。しかし、BASEの場合は、商品が売れるまでコストがかからないのですが、売れた時には、「サービス利用料3 ％」「決済手数料3.6 ％ + 40 円」といった感じで、売上に応じた費用が発生するのです。ちなみに、月商17万円以上のショップになると、月額5,980円で決済手数料が2.9%というプランを選べるようになります。
なお、公式サイトで売り上げに対する月額コストが紹介されているのですが、月商500万円ぐらいのショップになると、手数料が15万円以上かかってきます。こういったことから考えても、初めてネットショップを開く方が、試験的に運用するのであれば安価に利用できるのですが、毎月バリバリ売って大きな売り上げを作りたいと考えている人には、割高なシステムになってしまいます。
デメリット3 自由度が低い
BASEは、「誰でも簡単にネットショップが開設できる」という点をメリットとしているのですが、逆にいえば専門知識があってもやりたいことができないという自由度の低さがデメリットになります。
BASEでショップを作成する場合、さまざまなテンプレートの中から自分の好みのテンプレートを選ぶことからスタートします。そして、テンプレートを使ってネットショップを作れば、デザインのセンスが無くても、ある程度綺麗な見た目のお店が簡単に作れるのです。これは、あらかじめ、ユーザー側が自由にできるカスタマイズできるような場所を少なくしておき、パズルのように型にはめていくことでショップを作るようになっているからです。
要は、BASEのショップは、テンプレートに沿った形でしか操作することができず、いくら高いスキルを持っていたとしても、それを実装することが不可能な訳です。したがって、自分なりのネットショップを自由に作りたいと考えている方からすれば、「自由度が低すぎて思うようなショップを作れない！」と感じてしまうことがあると思います。
まとめ
今回は、初心者の方でも簡単に自分のネットショップが開設できるBASEについてご紹介してきました。この記事でご紹介したように、BASEは初期コストをかけることなく、さまざまな決済機能が搭載されたネットショップを開設できるシステムです。最近では、テレビCMが盛んに放送されていますし、どのようなシステムなのか気になっていたという方も多いかもしれませんね。
もしあなたが、今までネットショップの運営を経験したことが無く、お試しとして始めてみたいのであれば、BASEを利用してショップを開設するのが最もオススメです。ただ、月商数百万円以上の大規模ECの運営を考えているのであれば、BASEでは少し難しいと考えておきましょう。上述しているように、BASEは売り上げが上がるほど運営側の負担も大きくなってしまう料金設定ですし、SEO対策の面が非常に弱いことから、ユーザーに認知してもらうのにかなり苦労すると思います。
もちろん、BASEというサービスが非常に優れているのは間違いないので、使い方次第では大きな利益を生んでくれると思いますよ。
